葛西、五輪絶望的も「辞める気は毛頭ない」30年五輪開催地候補「札幌」まで目指す

 「ノルディックスキージャンプ・NHK杯兼全日本選手権・ラージヒル」(24日、大倉山ジャンプ競技場)

 ラージヒルが行われ、男子で冬季五輪史上最多の9大会連続出場を狙った葛西紀明(49)=土屋ホーム=は115メートル、110メートルの合計172・7点で22位。W杯、W杯下部大会のコンチネンタル杯の海外遠征メンバーに選出されず、2022年北京五輪出場は絶望的となった。優勝は男子の小林陵侑(24)=土屋ホーム。女子のラージヒルは初開催で、ノーマルヒルで18年平昌五輪銅メダリストの高梨沙羅(25)=クラレ=が制し、初代女王となった。

 レジェンドの意地を見せられず、9大会連続の五輪出場は絶望的となった。葛西は1本目で18位と出遅れると、2本目でも記録を伸ばせず、22位。「いい風に恵まれなかった。悔しい結果に終わってしまった」と肩を落とした。

 逆転の五輪切符獲得には、何としても優勝する必要があった。五輪代表は来年1月6日までのW杯などで上位に入った選手の中から選出される。今大会で優勝すれば、W杯や下部大会のコンチネンタル杯の海外遠征メンバーに選出される可能性が高かったが、それはかなわなかった。

 全日本スキー連盟の原田雅彦理事は、海外遠征メンバーに選ばれていない選手から五輪代表を選出することは、「基本的にない」と断言。今後、負傷者に代わって海外遠征メンバーに選ばれる可能性は残されているが、葛西の五輪出場は極めて難しくなった。

 厳しい現実にも、表情はどこか晴れやかだ。「(現役を)辞める気は毛頭ない。来年50歳になりますけど、ここまで来たらいける所まで、キング・カズさんのようにずっといきたい」。原動力は、ファンからの声援と競技への熱量だ。「五輪への思いは強い。『連続』は途切れるかもしれないですけど、最後まで諦めずに狙いたい」。わずかな望みも信じている。

 冬季史上最多の8度の出場など、数々のギネス記録を打ち立ててきたレジェンドは、「僕しか9度目は挑戦できない。(26年ミラノ五輪が開催される)イタリア、(30年五輪に立候補検討の)札幌、そこまで目指していければ」と意欲を燃やした。歴史的記録が途切れようとも、49歳の夢は続いていく。

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