見延和靖 感謝感激サプライズ報奨金1億円 フェンシングに「こんな夢があると後輩に伝えたい」
東京五輪のフェンシング男子エペ団体で日本勢として初の金メダルを獲得した見延和靖(34)が10日、群馬県高崎市で行われた所属先のネクサスの報告会に出席した。報奨金は1億円。事前に告知されない“サプライズ贈呈”に驚きの様子だった。
日本中を「ジーーン」とさせた功労者に、ドリームマネーが贈られた。報告会で報奨金1億円を“サプライズ贈呈”された見延は「緊張とは違う、体の震えを感じている」と驚きつつ、「無駄に使わず、活躍するとこんな夢があると後輩に伝えたい」と力を込めた。
破格の報奨金だ。過去には、2018年平昌冬季五輪のスピードスケート女子で金メダルを2つ獲得した高木菜那(日本電産サンキョー)が、所属先の親会社である日本電産から4000万円、日本スケート連盟と日本オリンピック委員会(JOC)からそれぞれ1000万円の計6000万円の報奨金が贈られた例がある。見延の所属先のネクサスは、それをさらに上回る1億円を提示した。
ネクサスはパチンコなどのアミューズメント事業をはじめ、フィットネスクラブ、シティーホテルなど多種多様な事業を展開する企業。09年に「NEXUSフェンシングチーム」を創部するなど、競技を熱心に支えてきた存在だ。
東京五輪では、日本チームは見延を中心に強化を図り「じーんと感動させるチーム」という思いを込めて「エペジーーン」を合言葉に戦った。決勝トーナメント1回戦の米国戦で最大8点差を逆転すると、準々決勝では3連覇中のフランスを撃破。決勝ではROC(ロシア・オリンピック委員会)を45-36で破り、競技初の金メダルを獲得した。
見延は2024年パリ五輪も目指す意向で、「団体2連覇、個人でも金メダルで2冠を達成できるように頑張る」と意欲を新たにした。鋭い剣さばきで、競技の未来を切り開く。