貴景勝 パワー全開星で3勝目 有観客に力もらった!怒とうの攻めで明生一撃

 「大相撲夏場所・4日目」(12日、両国国技館)

 大関貴景勝が成長株の平幕明生を一蹴し、連勝で3勝目(1敗)を挙げた。強烈な左の一撃で押し倒し。パワフルな当たりから隙のない攻めを八角理事長(元横綱北勝海)らも絶賛した。関脇高安ら全勝力士が次々と敗れ、結びで大関復帰の照ノ富士が小結御嶽海との全勝対決を制し、4連勝で早くも単独トップに立った。1差で貴景勝、正代の2大関らが追う。4大関は安泰で有観客開催が始まった土俵を波乱なくしっかりと締めた。

 有観客の初日、土俵の雰囲気がガラリと変わった。熱い視線と温かい拍手。応援、熱気を力にしてきた貴景勝にはプラスでしかない。気迫も乗り乗り、パワーも全開だった。

 今場所、朝乃山を倒した難敵明生のかち上げをはじいて前進。ハズに当てた左の一撃で151キロを浮かせて、土俵にたたきつけた。

 「お客さんが入って、やる気にもなるし盛り上がる。拍手をいただけるのはありがたい。どっちにしろ力を出し切ることを一番にやらないといけない」と、ファンに応える怒とうの攻めだった。

 2日目に御嶽海に屈したものの今場所、持ち味の馬力は戻っている。八角理事長は「左からの攻めが素晴らしかった。(今場所は)当たれている」と高評価。土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「当たりが良かったから自分のリズムで運べた」と褒めた。

 4大関となり綱とり争いも過熱。貴景勝は昨年11月場所で大関初優勝し、翌1月の初場所で綱とりに挑み惨敗した。「力がなかっただけ。稽古するしかない」と言い訳はせず雪辱を期してきた。トップの照ノ富士に1差で食らい付くのみ。第73代横綱は譲れない。

 2001年夏場所、先代師匠の貴乃花親方(元横綱)は伝説を刻んだ。右膝に大けがを負いながら決定戦を制して優勝。まさに土俵の鬼と化した。当時の小泉首相が内閣総理大臣杯授与の際、「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」との言葉は流行語になった。丸20年の時を経た夏場所。相撲道を継ぐ、愛弟子が逆転V3へ突き進む。

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