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男泣き引退会見 元関脇琴勇輝「勝負師、力士として終わりかなと思った」

 オンラインで引退会見を行った元琴勇輝の君ケ浜親方(日本相撲協会提供)
 オンラインで引退会見を行った元琴勇輝の君ケ浜親方(日本相撲協会提供)
 琴勇輝
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 「大相撲夏場所・初日」(9日、両国国技館)

 元関脇の琴勇輝(本名・榎本勇起)で先場所後、4月14日に引退を発表した君ケ浜親方(30)が9日、オンラインで会見を行った。男泣きし、丸14年の土俵人生に悔いのない思いを語った。

 「長く現役をやっていく中で左膝の大けがも経験して昨年は両肘を手術。左膝も手術した。大けがした直後にはもう1回、上がって上位を倒してやろうと思って稽古したけど土俵に上がるのがちょっとずつ怖いなと思うようになった。勝負師、力士として終わりかなと思った」と引退理由を明かした。

 香川県小豆島町出身。佐渡ケ嶽部屋に入門し2008年春場所、初土俵を踏んだ。猛稽古で強烈な突き・押しを磨き、2013年初場所で新入幕。同九州場所で左膝の腱断裂と前十字じん帯損傷の大けがを負った。けがを乗り越え、2016年夏場所、新三役となる関脇に昇進した。

 昨秋に左膝を手術、今年1月に肘を手術と満身創痍(そうい)。幕下に降下した先場所も全休し、引き際と決断した。

 気持ちで誰にも負けなかった。だからこそ「対戦相手にも失礼」と中途半端では土俵に立てなかった。土俵人生を思い返し、涙で言葉が詰まった。「いろんな人に応援していただいた。師匠の思う相撲道に食らい付いてきて、自分の出せる精いっぱいの力と目指せるものはきわめられたかな」と胸を張った。

 師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)には左膝の大けががやはり忘れられない。2014年春場所、休場なら十両から陥落危機。とても出られる状態ではなかった。その時、琴勇輝は「自分は相撲を取るために生まれてきた」と出場を直訴。師匠は「もう1回、幕内に上位にいくと思った」と、その後の復活劇を確信した。

 2016年春場所、初の上位総当たり戦で横綱日馬富士を撃破し初金星。初三賞となる殊勲賞も獲得した。

 「膝の大けがをしてからの(日馬富士との)対戦で初めて金星。けがした時の自分は上に上がるより、土俵の上で立って相撲が取れるかという気持ちだった。あの瞬間、いろいろ我慢してやってきて良かったなと思えた」と、最高の瞬間だった。

 立ち合いの直前、「ホゥッ」と大声で吠(ほ)えて気合を入れるルーティンでも注目だった。2015年春場所前の力士会で横綱白鵬から「犬じゃないんだから、やめろよ」と指摘。それでも信念を貫き続けていた。その後、協会から注意され自重するようになった。

 「関取になってから注目されたけど、もっと前からやっていた。地位が上がるにつれておもしろいと覚えてもらえた。おなかに力を入れ一番、気合の入るルーティンだった」と、振り返った。

 師匠は「負けず嫌いの本当にいい力士だった。先代師匠(元横綱琴桜)が元気なら琴勇輝の相撲を喜んで見ていたと思う。(猛牛と呼ばれた)先代に少し似ている。突き押しの力士はうちにたくさんいる。突き押しとはこういう相撲だと君ケ浜から下の者に教えてほしい」と、指導力にも期待した。

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