朝乃山、大関初Vへ1敗堅守 近大後輩・佐藤輝の活躍に刺激

 「大相撲春場所・6日目」(19日、両国国技館)

 大関朝乃山が若隆景を寄り切って4連勝と勢いに乗り5勝目を挙げた。横綱不在の中、大関陣の中で唯一、1敗を守ってトップタイに並んだ。近大の後輩で開幕前から大暴れするプロ野球阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手に負けじと、大関初Vへかっ飛ばす。ただ一人全勝だった平幕妙義龍が北勝富士に押し出され初黒星を喫した。再大関とりの関脇照ノ富士が霧馬山を豪快につり出し5勝目。1敗で6人並走の大混戦となった。大関はかど番の貴景勝が4勝目、正代は3連敗で4敗に後退した。

 朝乃山が乗ってきた。踏み込み鋭く、おっつけから右差しで圧倒。一気に出て最後は左上手も取って完封した。「しっかり当たって前に出られた。自分の相撲が取れている」と自信があふれた。

 3大関総なめを狙った若隆景を一蹴。番付差を見せつける5勝目でトップに並んだ。4日目まで圧力不足に苦しんだ立ち合いが一変。前日、明生を得意の右四つで仕留め、本来の姿を取り戻した。もう迷いはない。

 昨年は大阪の春場所で大関昇進を決めた。伝達式の口上は「相撲を愛し、正義を全う」と述べた。今場所、初日から着用する富山商の化粧まわしには教育目標「愛と正義」の言葉が刻まれている。

 昇進から1年がたち、今春は東京開催になった。「国技館でしっかり自分の相撲を見せれば喜んでもらえる」と、近大時代を過ごした第二の故郷・大阪へ、1年以上も戻れていない故郷・富山への思いを込めて土俵に立つ。

 近大の後輩が今、注目の的だ。阪神ドラフト1位の佐藤輝が開幕前から大暴れ。「注目は期待されるという証し。自分も負けていられない」と、大いに刺激を受ける。

 期待される中で結果を出す難しさは自身がこの1年で痛感する。「大関に上がってからはその責任を果たしていない」。佐藤輝にも近大先輩の意地と貫禄を見せる必要がある。

 先場所は平幕大栄翔に優勝を許したことに人一倍、悔しさをあらわにした。「番付の意味がなくなる。最高位として出ているので負けられない。優勝して当たり前と思われるので結果を残す」。悲願の横綱昇進へ、大関初優勝を実現する。

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