橋本聖子会長、開催可否に言及「国民の思い重要。安心感なければ開催難しい」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が5日、都内で初となる定例会見を行った。コロナ禍での五輪開催に都民、国民から多くの疑問の声があがる中、不安払拭(ふっしょく)のため定例会見の場を設けることになった。
今は中止、延期論がくすぶる開催の可否については、「昨春に延期が決まって、7月に(延期後の)開催日程が決まった。その時点で今夏の大会実施は決定している」とした上で「やはり対策をしっかりしていかなければ。東京大会が本当にできるのか、できないんじゃないかという国民の皆さんの思いというのは非常に重要。しっかりとした対策をしていても、感染者がなかなか減っていかない状況であれば、地域医療のひっ迫につながるのであれば非常に難しいのではないか、というそういう国民の皆さんの大きな心配や不安が、今、開催すべきという声が少ない要因だと思う」と、現状を受け止めた。
その上で「医学的、科学的な知見をしっかり踏まえ、専門家、政府、都と連携して、いかに国民にこれであればできるんだという安心感を持っていただけない限り、開催は難しいと思っている」との認識を示した。
「無理やり何がなんでもというとらえ方をされているのかもしれないですが、決してそうではなく、やはり今まで持っていただいていた東京五輪・パラリンピックをぜひ開催してほしい、見てみたい、そういった方々のたくさんの期待を受けて誕生したこの組織委員会でありますので、その方々の思いを再び期待感に変わるような安全安心なコロナ対策を心がけていきたい」と、誓った。
同日付で25日にスタートする聖火リレーについて、コロナの状況に対応する武藤敏郎事務総長をトップとした「聖火リレー・コロナ事態対応チーム」を発足することを発表した。「走る人、ボランティア、自治体の方に安心感を持って走っていただけるようにしたい」と説明した。