時津風親方に退職勧告 協会「申し訳ない感じ受けなかった」部屋は間垣親方が継承
日本相撲協会は22日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、1月の初場所中、マージャン店や風俗店に通うなど、協会の定める新型コロナウイルス感染予防ガイドライン違反を繰り返した時津風親方(47)=元幕内時津海=の処分を協議し、退職勧告の懲戒処分を決議した。同親方はすでに退職届を提出しており、同日、受理され、退職金は30%減額となった。
協会調査では時津風親方が初場所中、5日連続でマージャン店に通い、風俗店、タイ古式マッサージ店へ出入りしていたことも発覚した。昨年の秋場所前に宮城県に旅行し、ゴルフコンペに参加。2階級降格処分を受けたばかりでまたも規則を完全に無視した。
緊急事態宣言下、弟子多数を抱える師匠が背信。協会発表では「あろうことか風俗店にまで出入り。身勝手。協会関係者の思いを踏みにじる」と断罪された。情状酌量の余地はなく退職勧告。即、退職届は受理された。
理事会には同親方も呼ばれ、処分が告げられた。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によれば、八角理事長(元横綱北勝海)から「何かないのか」と促された同親方は「どうもすいませんでした」と謝罪した。ただ、同部長は「見てる限りでは申し訳なかったという感じは受けなかった」とあきれた。最後まで後味の悪さを残した。
部屋付きの間垣親方(35)=元幕内土佐豊=が新師匠として継承が決定。時津風部屋は「角聖」と呼ばれた横綱双葉山が源流で現在も「双葉山相撲道場」の看板が掲げられている。前回の師匠交代は力士暴行死事件を受けてのもので屈指の名門が、また醜聞にまみれた。
渦中の中、時津風親方の長男・坂本博一君(青森・三本木農高3年)は角界入りを志望。5月の夏場所で初土俵を予定している。