正代が首位並んだ “2度負け”覆され…「この一番を拾えたことが今後、大きくなる」

 「大相撲初場所・11日目」(20日、両国国技館)

 大関正代が神がかり的な9勝目を拾って、ついに2敗トップに並んだ。相手軍配→取り直し→相手軍配→差し違えの判定で“2度負け”が覆された。勝負結果は隠岐の海の勇み足という強運ぶりで大逆転の勝ち名乗りを受けた。単独首位だった平幕大栄翔が阿武咲に突き落とされ、2敗に後退した。

 “勝利の女神”が何としても正代に勝たせたい日だった。最初の一番、左を差して出たが土俵際、突き落とされた。軍配は隠岐の海。物言いがつき、3分近い審議の結果、取り直しとなった。

 続く相撲は一方的に攻められ、寄り倒された。またも軍配は隠岐の海に上がり、今度こそ決着と思われたが、またも物言い。2分近い審議の末、隠岐の海の右足親指が俵の外に出ていたと結論。勇み足で何と差し違え。逆転の判定勝ちで9勝目が転がり込んだのだ。

 勝負がつくまで8分近くかかった結びの一番。正代は勝者と思えない、疲れ果てた顔で花道を引き上げた。

 オンライン取材でもガックリ肩を落としていた。「二番目も一方的で精神的にきていた。気持ちを切り替える余裕はなかった。精神的以上に肉体的にも」と、心身ともに追い込まれていた。

 10日目にかど番を脱出し安どはした。ただ大栄翔が敗れ、2敗に後退。「心のどこかで意識しているのがあって、硬かったかな。落ち着いて取れない感じがした」と反省した。

 内容はともかく、V争いのトップに追い付いたことが大事。「この一番を拾えたことが今後、大きくなる。流れがきているんじゃないかと思う」と、前向きにとらえた。

 2016年秋場所、豪栄道以来、9人目のかど番Vへ向け、強運も味方。「きょうのような相撲を取らないよう、集中していかないと」。出場最上位の看板にかけ、もうトップを譲らない。

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