照強勇気届けた!1・17震災の日に淡路で生まれ「もう26歳か。あれから26年…」

 豪快に塩をまく照強(撮影・佐藤厚)
 のど輪で果敢に攻める照強(左)=撮影・開出牧
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 「大相撲初場所・8日目」(17日、両国国技館)

 阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日、震源地に近い淡路島で誕生した幕内照強が26歳となった2021年も故郷に勇気と元気を届けた。佐田の海に送り出されて5敗目を喫したが、筋断裂する左腕の激痛に耐え全力相撲を取り切った。幕内最小兵の体に運命を背負い、日本を“強く照らす”奮闘を続ける。

 照強は幼少期から誕生日はお祝いされ、ただ喜ぶ日ではなかった。26歳を迎えた1・17も同じ。早く起床し、午前5時46分には被災地へ黙とうをささげた。

 「もう26歳か。あれから26年がたった。しっかり向き合っていかないといけない」。

 26年前、照強は淡路島で震災をまたぎ、15時間の難産の末、生を受けた。自宅は倒壊危機のため、母・真樹さんは軽自動車の中で余震におびえ陣痛に耐えた。

 幼少期は周りから「じしんくん」と呼ばれていた福岡翔輝少年が中学卒業後、角界入り。日本を“強く照らす”願いが込められ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)からしこ名を命名された。

 20年初場所、初めて幕内で1・17の土俵に立つ目標をかなえた。21年も勝利は届かなかったが、気持ちの入った熱戦を送った。

 左上腕部の筋肉を断裂しながら、とったりにいき患部に全力を込めた。送り出された後は激痛に顔をしかめた。「痛みと戦いながらも動かないわけじゃない。動くうちは痛みと戦いながらやっていく」。幕内で一番小さい体で生きざまを見せる。

 自身の相撲で勇気を届けたい。「土俵に上がって見せることが仕事。こういう日に生まれた運命。元気な姿を見せることが大事だと思う」と、背負う運命に応えてきた。

 今場所は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下で開催。「(自粛の方々は)気持ちが落ちる部分があると思うけど、相撲を1人でも多くの人に見てもらい元気づけられたら」と、後半戦も気迫全開の相撲を約束した。

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