阿武咲、貴景勝から3年ぶり星「ここまで長かった」 出足一気でライバル吹っ飛ばした

 貴景勝(手前)を押し出しで破った阿武咲=両国国技館
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 「大相撲初場所・6日目」(15日、両国国技館)

 平幕阿武咲が同学年の大関貴景勝を押し出して4勝目(2敗)を挙げた。中学からの宿命ライバルには2018年初場所以来、3年ぶりの勝利となった。三役以上4人を撃破し、混戦の初場所で台風の目。三役返り咲き、そして逆転Vへ進撃は加速する。綱とりだった貴景勝は泥沼5敗目。かど番の両大関は正代が栃ノ心を押し出して5勝目を挙げたが、朝乃山は宝富士の上手投げに屈して3敗目。全勝は平幕大栄翔、明瀬山の2人。1敗で正代、平幕明生、琴ノ若が追う。

 勝利の瞬間、阿武咲は気迫全開の顔で大きくうなずいた。押しをはね返し、貴景勝の引きに乗じて出足一気。3年間、勝てなかった宿敵を吹っ飛ばした。勝利インタビュー室で「我慢して反応できた。(返り三役へ)しっかり気合入れて頑張る」と声を弾ませた。

 中学時代から終生のライバル。互いがいたから成長した。新入幕はともに20歳の時。三役は自身が早かった。

 ともに小結だった2018年初場所、引き落としで勝った。だが、この場所で右膝に重傷。そこから再起へ苦しみ抜いた。大関へと駆け上がった貴景勝を尻目に足踏み続き。対戦も4連敗と、差が大きく開いていった。

 「苦しかった。けがをしてからなかなか勝てないし、思うような相撲を取れなかった。それが23歳の終わりがけで少しずつ形になってきた。悔しい部分もあったがプラスになっている部分もある」。折れそうな心を奮い立たせ、はい上がった。

 20年初場所、幼少期からあこがれた荒磯親方(元横綱稀勢の里)に精神面、技術面を質問攻めにした。20年12月の合同稽古も霧馬山と2人だけが6日連続皆勤し、連日、関取衆と番数を重ねた。

 「相撲を取れることに感謝」と、連日のように24歳は口にする。けがを肥やしに心身とも大きくなった。

 「久々に勝てて良かった。(貴景勝は)本当に強いし負けてられない。けがしてから本当にここまで長かった」。3年間が報われる格別な1勝となった。

 今場所は役力士4人を倒し、7日目も大関正代戦。「気合を入れて頑張りたい」。混戦の初場所、まだまだ大暴れを誓った。

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