創価大が往路初V!ビックリ大躍進 衝撃の4区嶋津、区間2位激走でトップ奪った

 1位でゴールする創価大・三上(撮影・高石航平)
 往路優勝を決め喜ぶ創価大・榎木監督(中央)ら
 4区、東海大・佐伯(右)を抜き去る創価大・嶋津(代表撮影)
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 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場)

 出場4度目の創価大が5時間28分8秒で初の往路優勝を果たした。4位の嶋津雄大(3年)が首位を奪う激走。5区の三上雄太(3年)がリードを広げ、2020年の往路7位が最高成績だった伏兵が歓喜をつかんだ。東洋大が2分14秒差の2位、駒大がさらに7秒差の3位。帝京大が4位、東海大が5位で続き、前回総合優勝の青学大は12位と振るわなかった。創価大は総合初優勝を懸けて、3日の復路に挑む。

 赤、青、黄の原色ユニホームが、箱根路に新時代到来を予感させた。混戦が続いた往路終盤、人がまばらな箱根町に最初に姿を見せたのは、優勝候補とうたわれる名門校ではなく、出場4度目の創価大だった。快挙を確信した三上は両手で“ナンバーワン”を作り、そのままゴール。三角コーンにぶつかりながら倒れ込む姿には、汗がにじんだ。

 箱根駅伝には6年前に初出場したばかり。急成長を遂げ、前回大会は総合9位で初のシード権を獲得した。総合3位を目標に掲げた今大会は、1区3位の福田、2区6位のムルワ、3区3位の葛西を含めて往路全ての区間で6位以内と全員が好走。就任2年目の榎木和貴監督(46)は「全く予想してなかった」と驚きつつ、「早い段階から往路のイメージは作っていて、調整の段階からハマった。力通りに100パーセント出し切ってくれた」と、“奇跡”ではないと強調した。

 完全なダークホースだった。今季は出場権を得ていた20年10月の出雲駅伝が中止となり、20年11月の全日本大学駅伝は出場資格を得られなかった。駅伝力は分からずじまいで、チームも「出雲が中止になってモチベーションが下がった」と指揮官。それでも「駅伝で戦いたい思いを『全て箱根にぶつける』と取り組んできた」と、悔しさもバネにしてきた。

 衝撃の展開は4区で起きた。昨年10区で区間新を達成した3年生エース、嶋津が区間2位の激走。5キロ過ぎで先頭を走る東海大を捉えると、「気持ちが上がった」と鮮やかに抜き去った。往路優勝の立役者は「1位でたすきを渡せたことが一番うれしい」と軽やかに笑った。

 嶋津もずっと好調だった訳ではない。昨春に大学を休学。9月には「ゼロからのスタート」と北海道・深川市で1人で合宿を行ったが、「最初は10キロも走れない感じで。1キロ5分が全力疾走。どっちの足が前に出てるのか分からない状態」と大苦戦。暗いと見えづらくなる「網膜色素変性症」を抱え、日照時間の少ない冬は練習も制限されたが、月に800キロを踏み、再び強くなって箱根路に戻ってきた。

 初のトップで挑む復路へ、榎木監督は「後続をどれだけ離すかよりも、自分たちがどう100パーセントを出し切るか」。エースの激走で往路の栄光は手に入れた。復路でも三色ユニホームが新たな風を巻き起こす。

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