圧巻Vの羽生結弦「絶対にいつかは光が差す」コロナ禍の世界へ思い示す【一問一答】
「フィギュアスケート・全日本選手権」(26日、ビッグハット)
男子フリーが行われ、今季初戦となった五輪2連覇王者で、SP首位の羽生結弦(26)=ANA=は、合計319・36点で、5年ぶり5度目の優勝を飾った。同じく参考記録ながらスケートアメリカで世界王者のネーサン・チェン(米国)が出した299・15点を超える今季世界最高得点をマークした。
-圧巻の演技。5年ぶりの全日本優勝。今の思いは?
「いやステップ4を取りたかったのが正直な気持ち。ただ、スピンは丁寧に回れたのでよかったと思います」
-演技を振り返って
「まずちゃんと客観視しながら、練習してきたことを信じて、自分の体の感覚を信じてやれたのが大きいと思います。なにより昨日(SP)は、もちろんああいうプログラムだからなんですけど、初戦で力が入り過ぎたところあったので、昨日それを感じられてよかったなと」
-4回転ジャンプで高い加点
「まずループジャンプで流れを出すのは、すごく難しいんですけど、それでも流れを殺さず、きれいに加点が付くジャンプが跳べたのはすごくよかった。心から良かったと思える点です。サルコーとトーループは、自信をもってやっているジャンプですし、長年一緒にやってくれているジャンプたちなので、自信をもってやりました」
-どんな気持ちでこのプログラムを滑った
「この曲の背景には上杉謙信公がいらっしゃるんですけど、とにかく僕自身、競技することはやっぱり好きだし、戦うということの中からすごく楽しみというか集中の仕方だったり、刺激がすごくたまらないものになっているんですけど、ただ、その中でも僕自身が戦っても勝てなくなってきたり、また苦しいというような苦悩にかられたり、また僕が1位になることで誰かが2位になったり、犠牲があるということを感じながらやっていたので、なにか謙信公の戦いという価値観みたいなものに影響されているので、この世の中、戦わなきゃいけないことが沢山ありますけど、なにか、みなさんの中にちょっとした芯みたいなものが、戦いに向かっていく芯みたいなものが見えたらよかったなと思います」
-世界選手権に向けて
「まあ、世界選手権やれればなんですけどね。もちろん、とにかくなによりも世界が平穏に戻って、僕自身も平穏な暮らしがしたいなというのが、今の率直な思いです」
-最後に
「今、この世の中、本当に辛いこと、苦しいこと、毎日テレビを見ていて、辛いなとか、なんか明るいニュースないなとかって思う方もいらっしゃるかもしれません。世の中は今、暗いトンネルの中かもしれないですけど、絶対にいつかは光が差すと思うので、そういったものをちょっとでも自分の演技から、また言葉たちから感じていただければと思います。どこからでも応援していただき、本当にありがとうございました」