鍵山優真、自己ベストで堂々2位発進「フリーもノーミスで」 羽生食いへ“全集中”
「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、ビッグハット)
男子ショートプログラム(SP)が行われ、昨年ジュニアながら3位に入り、初優勝を狙う鍵山優真(17)=星槎国際高横浜=は、堂々たる演技で参考記録ながら“自己ベスト”となる98・60点をマークし、首位羽生と4・93点差の2位につけた。
成長著しい17歳の若武者が“全集中”で堂々と羽生に食らいついた。「SPに関しては本当に全てを懸ける思いで集中していた」。演技を終えた鍵山は、震える拳をかみしめるように握った。
「ガッツポーズだったんですけど、体がガクガクしていてヤバいと思って。すごくうれしい気持ちが前面に出た」-
SP「ボーカッション」のハイテンポに乗り切った。冒頭の4回転サルコー-3回転トーループは後半ジャンプが2回転となったが、「サルコーが回りすぎて、(トーループの)3回転は無理かなと思って、意図的に2回転にした」と一瞬で冷静な判断を下した。その後、4回転トーループ、トリプルアクセルとも完璧な形で成功させた。
昨年大会ではジュニアながら3位で表彰台に立った逸材。1月のユース五輪で金メダルを獲得し、11月のNHK杯で参考記録ながら世界歴代5位相当の得点でGP初出場初優勝。その勢いは十分に、22年北京五輪での活躍を予感させる。「フリーも攻めきった演技をしたい。フリーもノーミスで」。首位の羽生とは4・93点差。その羽生以来8年ぶりの高校生王者へ、新時代の旗手は臆することなく、堂々と日本の頂点を狙いにいく。