貴景勝、押し相撲で目指す綱とり「無理って言われているからやりがい感じる」

重りを使いトレーニングする貴景勝(日本相撲協会提供)
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 大相撲11月場所で2年ぶり2度目の優勝を果たした大関貴景勝(24)=常盤山=が1日、都内の部屋で稽古を再開し、四股、すり足など基礎運動で汗を流した。稽古後に電話取材に応じ、初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)で初の綱とりに挑む心境を改めて語った。

 「やっぱり成績を残さなきゃ上に上がれないので、とにかく一生懸命頑張ることしかできないので、あまり深く考えず、伸び伸びやれたらなと思います」と自然体で意気込んだ。

 突き押し一本で横綱昇進は困難と言われるからこそ燃える。「押し相撲だけじゃ横綱になれないって自分で勝手に決めつけているからじゃないですか。押し相撲やる人は体はそこまで大きくない傾向がある。自分でその可能性を止めてしまったら一生そこで終わりなんで。無理って言われているからやりがいを感じている部分もあるし」とキッパリ。

 一つの技を極めるのも醍醐味。「探究心もありますし、やっぱり自分はもう押し相撲しかないので。その小さい頃から目指してきたもので頂点に横綱になりたいというのはあります」と、幼少期からの夢も実現したい。

 先場所後に千賀ノ浦部屋から常盤山部屋に変更。「(有終Vは)結果的にそうなったんですけど、まあ、本当に良かったなと。また新しい名前の部屋でもいい成績を残したいと思っています」と、新たな気持ちで臨む。

 先場所後1週間、つかの間の休息だった。風呂にゆっくり漬かって、リラックス。「熱い風呂に入って、今冬なんで、出た瞬間の温度差が気持ち良かったですね。本当は体に良くないと思うんで。30分漬かるんだったら、(湯温が)39度から38度じゃないと入れないですね」とこだわり。

 栄養学を勉強しており、場所中は体調を優先した食事になる。場所後は「食べたいもの食べさせてもらいましたね、1週間」と、焼肉で英気を養った。

 心身ともに切り替えて、再スタート。「体もそんなに落ちてないし、いいスタートが切れているなと思いますけど、来場所に向けて。いつも通り基礎で体を作っていって、作れたら実戦積んで、また基礎して、という、自分の感覚でいい流れをつかんでやっていけたらなと思います」と、語った。

 先場所前は合同稽古で新大関正代(時津風)と連日、番数を重ねて調整した。今回も18日から始まる合同稽古に参加する意向だ。「自分の体次第ですけど、参加したい。まあ、できるだけ、いい方向に一生懸命、鍛えていきたい。合同稽古が始まるまでにできるだけ膨らませて。また終わったら集中してやって、また実戦やって。自分の体の出来具合で決めていく」と、実戦感覚を磨いていく。

 2年前の初優勝と今回の優勝で次の場所に向かう気持ちも全く違う。「1回目の優勝は、優勝したから次の場所で変な成績を残せないと思っていました。今回は上に上がるにあたってのことなので、そういう意味では、一生懸命やることには違いないですけど、置かれている状況が違う。番付も今は違う」と、強調。責任を胸に番付の頂点を目指す。

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