卓球女子の東京五輪代表で世界ランキング２位の伊藤美誠（２０）＝スターツ＝が２４日、中国での２戦を終えて約１カ月ぶりに帰国し、代表取材に応じた。約８カ月ぶりの実戦で自身初の銅メダルを獲得した女子Ｗ杯（８日～１０日）、日本人で唯一４強に入ったＩＴＴＦファイナル（１９日～２２日）を振り返りながら、打倒中国へ危機感を募らせた。

　中国での２戦を終えた伊藤が、約１カ月ぶりに日本に戻ってきた。新型コロナウイルス感染対策として、厳しい行動制限もあったが「行って良かった。どんなことにも対応できる選手になりたいと思っていた。それができたというか、強くなったなと思いました」と手応えをにじませた。

　女子Ｗ杯は準決勝で世界ランク３位の孫穎莎（中国）に２－４で敗北し、３位。続くＩＴＴＦファイナルでは、準々決勝で同１２位の王芸迪（中国）を倒したものの、準決勝で同５位の王曼ユ（中国）にストレート負けを喫した。中国選手の高い壁を実感し「王曼ユ選手には普通にやっているようじゃ一生勝てない。対応能力をもっと上げていかないといけない」と危機感を募らせた。

　試合間には世界ランク１位の陳夢（中国）、孫と練習する異例の機会にも恵まれた。「毎日のように強い選手とやらせてもらえて光栄。練習できて本当に良かった」

　年内の試合は終了し、今後は年明けの全日本選手権に照準を合わせて練習する。「中国人選手が幅を広げてきている。質が高いけどミスしない選手になりたい」。遠征中の１０月２１日には２０歳の誕生日も迎え、「（お酒は）まだです～。日本で飲みます」と笑顔で明かした。来夏の東京五輪では、ひと味違う大人の卓球で打倒中国を実現させる。