照ノ富士 正代との対戦熱望「早く抜かないと」16日から合同稽古
11月場所(11月8日初日、両国国技館)で3年ぶり三役復帰を確実にする元大関の照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が14日、都内の部屋で幕内宝富士、十両翠富士と計10番取って全勝と順調な調整ぶりだった。
秋場所は勝ち越した後、古傷となる左膝の痛みが限界に達し、途中休場。この日も両膝にサポーター、足首にテーピングを巻いて保護して稽古を行った。
一時は序二段に降下しながら復活。7月場所では5年ぶり優勝を果たしたが手術した両膝はまだ万全には遠い。
「基本的に場所終わりくらいにはガクガクなっているので、とりあえず我慢してやろうと思ってましたけど。病院に行ったら先生から休んだ方がいいって言うから。このままいったら、もうちょっとデカいことにことになっちゃうから。手術しないといけなくなったら、あれだから。で、すぐ治療に入った」と、説明した。
徐々にトレーニングの強度も上げ、12日から相撲も取れるほど回復。「ちょっとずつはね。まだ全力を出しきれていないけど、もうちょっとで」と、手応えはある。
同い年の正代(時津風)が優勝し、大関に昇進。「人のことはどうでもいい。でも、すごいなと思ってますよ。大関に上がるのって、そう簡単なことじゃないから。まぁ文句なしじゃないですか、だって最後も2人の大関を破ってるし、最後にしっかり優勝も決めてますから。立派な大関になりましたよね。俺も早く抜かないと、というのはありますね」と刺激を受けた。
対正代は秋場所では勝ったが、7月場所では14日目、勝てば優勝の一番で敗れた。「まあ、先々場所負けた時は100回ぐらいも相撲を見ていますから、悔しくてね。その日に決めたかったので、正代だからとかじゃなくて。その日に優勝を決めたかったので。そこで敗れちゃったから、それがもう悔しくて。来場所こそとは思ってましたけど」と、悔しさがバネになった。
出稽古が期限付き解禁となり、16日から両国国技館内の相撲教習所で合同稽古が始まる。照ノ富士は「正代関が来るなら」と新大関との実戦を希望した。
正代に続き、今度は自身が大関を目指す立場。「(自分は)年が近い力士の中で昇進も早かったし、落ちるのも早かったから、(同年代が)ちょうど今出てきている感じかな。俺も下から上がってきているような感覚で、もうちょっと頑張ったらっていう感じで」と、闘志に火は付いた。
来場所、復帰した三役から一気に決めたい思いもある。「ここからが3場所大事ね。すぐやんなきゃ。ダラダラとしている暇ないので。やるなら徹底的にやってる方がよい。どっちみち、(膝に)爆弾を抱えてやっていますから、いつ何が起こるかわからないので、できるうちに全部やりたい」と3場所での大関復帰へ意気込んだ。
強気の照ノ富士節も徐々に戻って来た。「もともと、自信満々ですよ。自信を戻してるどうこうではないです。自信がなかったら土俵に上がりたくないし、土俵に上がったら誰でも関係ないから。横綱とやりたいどうこうじゃなく、全部勝ちたい」と力強く言い切った。