真凜 驚異のアドリブ力にコーチも驚く「よく滑り切った」ジャンプも振付も即興

 女子フリーの演技をする本田真凜(代表撮影)
 女子フリーの演技を終え、音源のディスクを2枚持つコーチを笑顔で見つめる本田真凜(代表撮影)
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 「フィギュアスケート・東京選手権」(10日、ダイドードリンコアイスアリーナ)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム9位と出遅れた本田真凜(19)=JAL=は提出する曲を間違えるという痛恨のミスを犯したが、驚異的なアドリブ力で演技をまとめ、フリー93・66点、合計点140・95点の7位で上位18人が進む東日本選手権(甲府)を決めた。妹の望結(16)=プリンスホテル=も通過し、姉妹での全日本出場に望みをつないだ。

 順当なら通過は確実なブロック大会で、ドタバタの真凜劇場が繰り広げられた。

 2週間前に負った右肩脱臼の不安を抱えて挑んだフリー。音楽は昨季に続いて映画「ラ・ラ・ランド」の予定だったが、なり始めたのは違う曲だった。「他の人の曲かな」。ポーズを解いて、審判席に近づいたが、そこで気付いた。「私のエキシビやん!」。CDに「フリー」と書いてしまっていたため、間違って提出してしまっていた。「“1分経ったら失格”と言われて…」。そこで腹をくくった。

 「やるしかない」

 曲はエキシビション用にステファン・ランビエル氏に振付してもらったレディーガガの「アイル・ネバー・ラブ・アゲイン」。ただ、「3月から滑ってなくて、まったく覚えていなかった」という。ジャンプもスピンも即興でフリー用の構成にし、うろ覚えだった振付もランビエル氏の動きを思い出しながら、「ほとんどアドリブだった」と、頭をフル回転させた。それでも、ジャンプはコンビネーションで跳びすぎもあったものの、しっかり着氷。表現力を示す5項目の構成点では全体2位の得点をマークした。前代未聞の事態の中で、演技をまとめきったのは、まさに天賦の才だった。

 想定外のトラブルに、本田武史コーチも妹の望結とともに、フリーのCDを取りに走るなど大混乱だった。本田コーチは「違うCDを渡すのはありえへんな、と。しっかりしなきゃいけない」と苦言を呈しながら、「アドリブでよく滑り切ったなと。驚いた」と、その対応力に舌を巻いた。

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