東京五輪ロッカールームは円陣、歌、ゲキなど制限を検討 罰則規定は未定
政府は9日、来夏の東京五輪・パラリンピックに向けた3回目の新型コロナウイルス対策調整会議を首相官邸で開催し、感染対策として、競技会場や選手村でのアスリートへの行動制限等について検討していく方針を固めた。
大会組織委員会の基本方針としては、アスリートと関係者の接触を最小限にするためのゾーニングを徹底するほか、競技や会場ごとに個別の感染対策を検討する。
具体的な対策としては、ロッカールーム等で円陣を組むこと、ゲキを飛ばすこと、国歌などの歌を歌うといった行動を制限すること。あるいは、競技を終えたアスリートが観客席で自国選手を応援することなどを感染防止の観点から見直す考えを示した。
ただ、それぞれの行動制限案について、現時点では罰則規定を設けるのかは決まっていない。
組織委の中村英正ゲームズデリバリーオフィサーは「今後の話だが、アスリートの行動ルール等について、ガイドライン的にやるものと、(破った場合)ペナルティーを科すものとを考えていかないといけない」と説明。ただ、ロッカールームで歌を歌うことについては「議論するが、今のところ(罰則をつけるほど)悪質性は高くないのでは」と述べた。
また、選手村での食事はビュッフェの大皿形式ではなく、小皿で小分けして提供する方法を検討。競技においても、審判やボールボーイなどのスタッフとの社会的距離の取り方や、体操の滑り止めの粉や球技のボールの消毒など、それぞれの事情に合わせて感染対策を講じていくという。