飛び込み五輪代表・三上紗也可が貫禄V「安心した」 大技失敗も安定した演技披露
「飛び込み・日本選手権」(25日、ダイエープロビスフェニックスプール)
無観客で開幕し、女子3メートル板飛び込みは、昨夏の世界選手権5位で東京五輪代表に内定した三上紗也可(19)=米子DC=が合計302・00点で優勝した。女子シンクロ板飛び込みは、W杯代表の榎本遼香(栃木DC)、宮本葉月(近大)組が296・70点で1位だった。
五輪代表の貫禄と伸びしろ。三上の5本のダイブは、その両方を感じさせた。「ガチガチに緊張した」と言いながらも予選を1位通過。決勝は4本目まで全て60点超えと安定した演技を披露した。
最終5本目は、女子では世界でも少数しか決められない大技「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」。力みから助走がずれ、37・40点にとどまるも、女王の座はなんとか守り「安心した」とはにかんだ。
競技専念のために1年遅れとなったが、4月から日体大へ進学。しかしコロナ禍で入寮は9月中旬までずれた。その間、鳥取の自宅で節制した生活を続け体重は約3キロ減。安田千万樹コーチは「キレが良くなった」と語る一方で「板を踏む力が落ちた」。5154Bを来夏の切り札とするべく、筋量などの“最適解”を模索中だ。
この日は失敗に終わった大技だが、「必ず完成させる」と三上。「五輪は必ず来年の夏に開催されると信じている。そこへ向けて努力するしかない」とまっすぐな瞳で語った。