翔猿10勝!若隆景との2敗対決制した 106年ぶり新入幕Vへ「緊張よりワクワク」

 「大相撲秋場所・12日目」(24日、両国国技館)

 新入幕の翔猿が若隆景との2敗対決をはたき込みで制して10勝目を挙げ、首位を死守した。1914年夏場所の両国以来、106年ぶり史上2人目の新入幕優勝へまた前進。12日目終了時に新入幕がトップに立つのは07年秋場所の豪栄道(白鵬と2敗並走)以来、13年ぶりとなる。残り3日は上位との対戦が濃厚で13日目は西前頭筆頭の隆の勝に挑む。

 相撲もトークも軽やかだ。翔猿が今場所2度目のヒーローインタビュー室に登場。優勝への意識を問われると、「それは考えず。あと3連勝くらいしたら」とボケて笑わせた。

 軽量同士の2敗サバイバル。立ち合い、相手の変化は「頭にあった」と読みピタリ。低い姿勢で突いて動いて猛攻。最後は相手の右腕をたぐりながら回り込み、はたき込んだ。

 「速さ負けしないように、相手に付いていくように前に前に出た。思い切りいった」と会心。新入幕の2桁星でまずは三賞の敢闘賞受賞を濃厚とした。

 「猿」を使った異例のしこ名。名付け親の師匠の追手風親方(元幕内大翔山)も「最初は変だとか言われたけど、強くなればいい名前」と大喜び。トリッキーな動きを武器に今場所10勝中、決まり手は8種と技もさえる。

 175センチ、131キロの小兵ながら基本は押し相撲。師匠の教えで立ち合いの当たりを磨き、相撲の幅を広げた。基礎運動も最近1年半くらい、部屋で誰より徹底。師匠は「ずっと稽古場で動いている。悔しい思いをしてきたから努力が結果に出てきた」と褒めた。

 性格的には「調子に乗りやすい」と師匠は苦笑い。106年ぶり新入幕Vへ乗りに乗っているのは間違いない。「緊張よりワクワクの方が強い」と本人は13日目から始まる上位戦へ、燃えまくった。

 「挑戦者。思い切りいくだけ」と何度も繰り返した。“戦国時代の猿”と言えば太閤豊臣秀吉。令和の猿が2敗トップで並ぶ大関、関脇を食い、下克上、天下取りで歴史を刻む。

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