正代 驚きのパワー!土俵外に遠藤ぶっ飛ばす 三役以上で唯一無傷3連勝

 遠藤(左)を押し出しで下す正代(撮影・西岡正)
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 「大相撲秋場所・3日目」(15日、両国国技館)

 大関とりへ足固め場所の関脇正代が相撲巧者の小結遠藤を電車道で押し出し、無傷3連勝に伸ばした。初日から立ち合いで圧倒する馬力を八角理事長(元横綱北勝海)らは絶賛。三役以上で唯一、勝ちっ放しで初場所、先場所と、あと一歩で逃した初優勝へ快進撃する。

 正代の驚がくパワーだ。土俵外に吹っ飛ばし尻もちをつかせた遠藤が、控えに座る貴景勝にまでぶち当たった。難敵と思われた相撲巧者に何もさせず真っ向勝負でねじ伏せた。

 強いの一言だ。踏み込みで圧力勝ちし、右差し狙いは巻き替えられたが、構わず抱えて出た。3秒9、怒とうの電車道で初日から3連勝に伸ばした。

 「取り切ることだけに集中した。自分の形になれて、すぐ足が出た」と会心。ともに学生相撲ではエリートで、1学年先輩に番付差を見せつけた。

 3日間とも完璧。初日の隆の勝は2秒8、2日目の玉鷲も2秒9で瞬殺。八角理事長は「当たって出るだけだと決めている。迷いがない。自信を付けている」とうなった。土俵下で見た伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「ここ1年で確実にレベルが上がっている」と成長を認めた。

 1年前の秋場所は9連敗を喫し、風呂場で悔し泣きした。19年、春場所でも9連敗し泣いた。年2回の屈辱の涙が、消極的発言で“ネガティブ男”と呼ばれた28歳を変えた。

 瞬発系の筋トレを地道に続け、下半身を徹底強化。先場所後、休みも返上し体を鍛えた。体重は5キロアップの170キロ。「体を動かし増やした」と、破壊的な立ち合いを手に入れた。

 先場所11勝を挙げ、今場所2桁星なら来場所は大関とり。20年は2度“準優勝”し、今場所こそ3度目の正直となる賜杯が視界に入る。年間最多賞争いも35勝でトップに立つ。

 「まだ序盤。疲れがたまったらどうなるか。ケアしていかないと」。千秋楽まで長い戦いを冷静に見据えた。

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