ケンブリッジV!桐生に競り勝った 自己ベスト更新の10秒03、日本歴代7位タイ

 「陸上・ナイトゲームズ・イン福井」(29日、福井県営陸上競技場)

 男子100メートル決勝は16年リオデジャネイロ五輪400メートルリレー銀メダルメンバーのケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=が自己ベストを更新し、日本歴代7位タイとなる10秒03(追い風1・0メートル)で優勝した。前日本記録保持者の桐生祥秀(24)=日本生命=は10秒06で2位だった。女子100メートル障害は青木益未(26)=七十七銀行=が2・1メートルの追い風参考ながら日本記録を上回る12秒87で優勝。男子110メートル障害では金井大旺(24)=ミズノ=が日本記録に0秒02差に迫る自己ベストの13秒27(追い風1・4メートル)で優勝した。

 3年ぶりの自己ベストで、堂々と復活を宣言した。ケンブリッジが予選、決勝とも桐生を終盤に競り落とし、決勝では日本歴代7位タイの10秒03をマーク。あおむけに倒れ込み空を見上げて、つぶやいた。

 「長かった。ここまで帰ってこられてよかった」

 16年には日本選手権を制し、リオ五輪400メートルリレーではアンカーを務めて銀メダルに貢献した。ただ、その後はけがが続き、低迷。桐生、サニブラウンらが続々と9秒台に突入する中、記録を伸ばしきれず、17、19年世界選手権ではリレーの走者からも外された。「焦りもあった」-。

 今季はフィギュアスケートの高橋大輔も担当する渡部文緒トレーナーに師事。余分な筋肉を落とすことで体重は約2キロ落ちたが、バランスを矯正。持ち前の後半の強さに加え、前半からライバルたちについていける余裕ができた。

 日本人4人目の9秒台、そして日本記録更新の期待も出てきた。「本格的に9秒台も見えてきた」。ヒゲを蓄え精悍(せいかん)さを増した顔に、自信がみなぎった。

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