IOC最古参委員 日本人だけ観戦五輪はNO「五輪の本質でない」
国際オリンピック委員会(IOC)で最古参のディック・パウンド委員(78)=カナダ=がこのほど電話インタビューに応じ、新型コロナウイルス感染拡大で来年夏に延期された東京五輪の簡素化について、検討すべき課題の一つとして観客削減を支持した上で「五輪は世界から人々が集結することに普遍的な意義がある。日本のファンのみで実施するのはIOCが理解している五輪の本質でない」と指摘した。
また「再延期ができないのは、かなり明確だ。東京五輪の21年開催は残された唯一のチャンスだと思う。24年パリ大会と28年ロサンゼルス大会を4年ずつ繰り下げるという選択肢も現実的ではない」と、再延期にも否定的な見解を示した。
開催可否の判断時期については「週単位、月単位でコロナの状況に適応する必要があり、1年前の現時点で回答するのは、ほぼ不可能だ」としつつ、「世界保健機関と連携してリスク管理を徹底し、公衆衛生の面で危険度があまりに高ければ、われわれは開催を推薦しない」と述べた。