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幕内返り咲きの元大関照ノ富士、引退考えた日々「ここから離れて生活しようと」

 「大相撲7月場所」(7月19日初日、両国国技館)

 14場所ぶり幕内に返り咲いた元大関照ノ富士(28)=伊勢ケ浜=が9日、都内での稽古後、電話での代表取材に応じ、あと10日に迫った7月場所へ「暴れてやろうという気持ち」と意気込んだ。

 この日は部屋の幕内宝富士、十両翠富士を相手に20番相撲を取って調整。「最近の中で多い方かな。基本的に復活してから10番以上は相撲をあんまり取ってないもんで。ちょっとずつ稽古できるような体にしていかないといけないので」と手応えはある。

 新型コロナウイルスの影響で自粛期間は下半身をメーンに鍛えた。「今までずっと上半身で相撲を取ってきたから。幕内はそう簡単にいかないと思っている。下半身もしっかり支えておかないと。上半身の力だけじゃちょっと厳しい部分がありますから、そういうことを意識して」。古傷の両膝も順調に回復している証(あかし)だ。出稽古ができないが「うちの部屋は関取衆も多い。できる限りのことをやって。みんな一緒」と力を込めた。

 自粛生活のストレスより、相撲が取れる喜びが大きい。ケガに加え、内臓系の病気で一時は序二段まで落ち、どん底を味わった。

 「自分としてはそんなに、もうやばいな、もうきつい、ストレスばっかりたまってというのは全くない。それ以上のこと見てきていますから。逆にやっと上がってきたのに、そんなこと考えてちらちら出たりとかしてうつったら、それこそ周りにも迷惑になるし、自分としてもやっとここまで来られたのに、なんでこんなバカなことしたんだろって、後悔すると思う。だからこそしっかり前向きにとらえてやっていこうと思う」と上しか見ない。

 5年前の7月場所が新大関だった。この5年、天国も地獄も味わった。大関を降下した時は引退しか考えていなかった。「いい経験もできて、きつい時期もあって。いろいろ勉強した時かなと思ってます。相撲も全く見ないで2年間いました。完全にここから離れて、生活しようと思っていました」

 思いとどまって、一歩一歩、進み、相撲を続けたのは間違いではなかった。「まずは体のことが一番大事だというのを思って、とりあえずは治してから話をしようと親方にいわれてましたから。相撲から1回離れて、自分の体と向き合って、治せるものであれば治したいと思ってやっていたんですけど。うまくはまったというかね、良くなってきて、こういう感じで良くなるんであれば、筋肉ももう一回呼び起こせるんじゃないかと思って、それで鍛えていったらちょっとずつですけど良くなってきたもん。当時もきつかったけれども、自分と今の事実を受け入れて、それでやりきろうと思ってましたね」。

 怪物と呼ばれ、優勝も経験し、横綱候補だった。その幕内に帰ってきた。「(興奮は)別にない。当たる相手はあんまり変わらないわけだから」と、プライドものぞかせる。

 大関、横綱戦も待望。「もう昨年の3月場所に復帰してから、五輪が7月だし、7月場所で幕内にいっておきたいと目標を立てて頑張りました。次の目標は、目標達成したし、目標立てないといけないと思う。とりあえずは上位と対戦したいというのをね」。

 7月場所の目標。勝ち越し、2桁、優勝争いも意欲。「もちろんそういったことを考えながら。目標を大きく持って。もちろん自信なかったら相撲やってる意味がないですから。自信を持ってやります。もちろん幕内は力士の中で1番強い人たちがやるところ。そう簡単にはいかないと思ってますけど、だからこそその人たちよりいっぱい鍛えて臨みたいと思ってやってます」と自信をあふれさせた。

 応援してくれたファンにも幕内で元気な姿を見せたい。「こういう時期だからこそね、やっぱりいろいろあったから、乗り越えてきて自分だから言えることもあると思う。そういった、みんなに我慢ということを相撲でちょっとずつ伝えていきたいなと思っている。みんなにそういう勇気を与えるような相撲を取っていけば、自分も幸せかなと思っています」と語った。

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