荒磯親方が複雑“7月に東京で誕生日”「2度とないように」と願い 通常は名古屋

 「大相撲7月場所」(7月19日初日、両国国技館)

 大相撲の荒磯親方(元横綱稀勢の里)が3日、34歳の誕生日を迎え、電話での代表取材に応じた。「うれしいか、うれしくないか、よく分からないですね」と率直な心境を語った。

 相撲界に入門後、誕生日には名古屋入りしており、東京で迎えたのは初めて。「不思議な感じです。(名古屋以外での誕生日は)中学生ぶりですね。相撲界で生きている人間としては、(自分の誕生日を)東京で迎えることが2度とないようにと思っています」。新型コロナウイルスにより夏場所が中止になり、7月場所を東京で行う異例の日程に複雑な思いを明かした。

 自粛生活の中での誕生日。「数人から連絡は来ましたが、特にお祝いしてもらうとかはないですね。こういう状況ですから。いつも通りという感じです」と淡々と話した。

 稽古場に下り、まわしを締め日々、弟子を指導している。

 「相撲は取っていませんが、まわしを締めて土俵に下りて、若い衆に(ぶつかり稽古などで)軽く胸を出したりしています」

 弟弟子の幕内高安は春場所で左大腿二頭筋を痛め、再起を目指している。親方は高安の現状に「若手と稽古をしていますが、腰の決め方など、いろいろ工夫しながらやっています。見ている感じでは、少しずつですが良くなっている感じです。(7月場所の出場は)問題ないと思います。あと2、3週間ぐらいで、どのように持っていくか。出稽古に関してもどうなるか分からない状況ですが、それなりに調整してくれると思います。高安も来週ぐらいから相撲を取ると思うので、(自分は稽古相手として)しっかり体はつくってきました」と、三番稽古(同じ相手と続けて取る)相手を務めるつもりだ。

 自身は現役時代、11年春場所で中止を経験した。夏場所が中止になり、力士への影響は少なくないと見る。

 「これだけ間が開くと、体調管理など今まで積み重ねてきたものがいったん切れたりする力士もいると思います。私もそういうところで調整に失敗してしまったというところがありました。10勝、10勝で来たところで、ぎりぎり勝ち越し。初日を迎えても、なんとなく調整がうまくいかなかったかなと感じました。(7月場所を迎える力士も)それなりに難しい調整になってくると思いますが、白鵬も鶴竜もそうですが、ベテラン力士は11年の中止を経験しているので、そういう経験を生かせるのかなと思います。抜くところは抜いて、やるところはやるというように」

 出稽古が制限され、相撲を取る稽古も各部屋とも一時自粛していた。「稽古ができなければ、やれないなりに脳みそを使って考える。それがいい方向に向かう力士もいると思います。勝つためにどうしようかと余計に考えたり、立ち合いの形をどうしようか、腰の形をどうしようかと考えたり。今までできなかったことができる可能性もあるので、駄目と思われがちですが、ピンチをチャンスに生かせる力士もいると思います。そういうところで、いいきっかけになるチャンスかもしれません。頭がなくては相撲は勝てません。そういうところをみんなが生かしてもらえればと思いますね」と、各力士にエールを送った。

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