相撲協会が大混乱 力士1名コロナ陽性から一転陰性…精密検査へ 10日にも判明

 日本相撲協会は9日、幕下以下の力士1人が都内の病院で新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査を受けたと発表した。8日に簡易的な検査を受け、病院側から同日夜に陽性と伝えられたが、この日に陰性の誤りだったと連絡が入る混乱があった。さらに精密な検査を受け直しており、10日にも結果が出るという。陽性なら力士を含む協会員では初めての感染者となり、2週間延期された夏場所(5月24日初日、両国国技館)開催は厳しい状況に追い込まれる。

 診断が覆って、仕切り直しの混乱だ。部屋で“在宅勤務”予定だった芝田山広報部長(元横綱大乃国)は急きょ、両国国技館に出勤し情報収集。電話で報道陣に応対した。

 幕下以下の力士1人に発熱などの症状があり、「(8日に)コロナウイルスの簡易検査を受け、その時点で陽性とされたが、その病院から(この日)連絡があり、陰性であった。引き続き本検査をしている状況」と説明。

 病院側から陽性は「誤りだった」との訂正があった。この日も最多181人の感染者を出した東京。同部長は「こういう事態だから」と、最前線に立つ医療現場を思いやった。

 当該力士は4日に発熱。いったん落ち着いたが再び高熱が出て体のだるさ、息苦しさ、せき、血たんの症状を訴えた。持病もあり、現在は入院してさらに精密な検査を受けて調べている。陽性の場合は10日に判明し、陰性の場合は11日に確定するという。春場所中、幕内千代丸(九重)がPCR検査を受け陰性だった。陽性となれば力士を含む協会員で初の感染となる。

 他の部屋からは症状が出たなどの報告はない。現在、当該力士の所属する部屋は稽古を中止。陽性判定が下れば、同部屋の全力士が検査を受ける。

 協会と各一門の理事から全師匠に対し、「(原則として)相撲部屋に所属する関係者の外出は一切禁止」と改めて通達された。

 大相撲は3月の春場所では史上初の無観客開催。協会員に1人でも感染者が出れば、途中打ち切りと定めたが最後まで乗り切った。

 3日の臨時理事会で夏場所の日程を2週間延期し、5月24日初日に変更。八角理事長(元横綱北勝海)は「再び変更の可能性がある」とし、状況次第で無観客、中止を含め検討する考えを示した。

 7日には政府から緊急事態宣言が発令と状況は悪化の一途。感染者が出れば、夏場所開催は厳しくなる。

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