朝乃山 両横綱に痛恨の連敗も…あるぞ大関とり!内容高評価、千秋楽勝てば可能性十分

 「大相撲春場所・14日目」(21日、エディオンアリーナ大阪)

 大関とりの関脇朝乃山が横綱鶴竜を追い込みながら逆転の下手投げに屈し、4敗目(10勝)を喫した。軍配差し違えの際どい勝負を落とし横綱戦に痛恨連敗。大関昇進目安だった12勝に届かなくなったが、昇進を預かる審判部は相撲内容を高評価。千秋楽、大関貴景勝を破り11勝目を挙げれば、大関昇進の可能性を残した。横綱白鵬が平幕碧山を一蹴し、鶴竜と2人、トップ12勝で並んだ。優勝は13年九州場所以来となる千秋楽、横綱同士の相星決戦で決定する。

 昇進目安の三役で3場所計33勝に今場所必要だった12勝に届かなかった。力を出し尽くした朝乃山は「出直しです。出直しです」と2度繰り返し、笑顔で会場を後にした。

 だが夢は終わっていない。打ち出し後、境川審判部長代理(元小結両国)が千秋楽次第で今場所昇進する可能性を否定しなかった。

 「明日(千秋楽)終わってどういう見解になるか、話し合うのか数字を重く見るのか」。大関貴景勝戦の勝敗を見て審判部として判断する考えを示した。

 星数は重要なのは確か。「(2横綱戦に)どっちか勝ちたかった。うかつなことは言えないけど安定した成績で今場所の内容もいい。ただ数字というのもねえ。きのう、きょうは大きかった」。

 一方で今場所の相撲内容には文句なし。「力は十分に付いている。内容は初日から充実して誰にでも真っ向勝負が魅力で好感が持てる」と絶賛した。

 33勝はあくまで「目安」だ。今場所は38年ぶり一人大関。東西大関がそろわないのは番付上、異常事態で新大関誕生を角界が切望する。最近でも稀勢の里、豪栄道が三役3場所計32勝で昇進した例もある。千秋楽、11勝目なら昇進を推す声も十分に出てくる。

 この日、鶴竜を追い詰めた内容も“大関級”。右差しから圧力をかけ何度も土俵際に寄った。最後は投げの打ち合いとなり、落ちる寸前、つきかけた左肘を上げ肩から落ちる執念。軍配は自身に上がったが、物言いがつき差し違えで惜敗した。

 「悔いはない。勝ち負けはっきりしたスポーツ。(肘を上げたのは)勝ちたいという気持ち。力を振り絞った。あとちょっとだった」と全力を尽くした。

 横綱戦2連敗に「まだまだ。自分が弱いだけ」と受け止めた。千秋楽へ「思い切っていくだけ」と気合十分。人生懸けた大一番、勝てば運命が開ける。

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