碧山がトップ並んだ!無観客OK「緊張しない、稽古場みたい」

 「大相撲春場所・10日目」(17日、エディオンアリーナ大阪)

 平幕碧山が怒とうの突き出しで志摩ノ海を一蹴し、3連勝で9勝目を挙げた。全勝だった横綱白鵬が平幕阿武咲に敗れたため、1敗で碧山がトップに並んだ。阿武咲は白鵬に初勝利し、2個目の金星。また、日本相撲協会は、高熱が続き8日目から休場していた平幕千代丸が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査の結果、陰性だった。

 191センチ、193キロ巨漢・碧山が止まらない。もろ手で押して出ると、志摩ノ海の顔面にズドン、ズドンと破壊力満点の突き。一気の猛攻、3秒1の電車道で“圧殺”した。

 初日から6連勝し、初黒星後、再び3連勝。白鵬が敗れたため、ついに1敗でトップに並んだ。好調の理由は「先場所より勝ちたい、勝ちたい気持ちが出ていない」と話した。

 10日目を終えてトップは自身初。「最後まで集中して取る。(優勝は)全然考えない」と言うが、17年名古屋場所では13勝を挙げ、最後まで白鵬と優勝争いをした実績がある。元三役の実力者にとって、チャンスは十分ある。

 激情家には無観客が奏功している。「さみしいけど、緊張しない。気合もめちゃくちゃ入らない。稽古場みたい。普通」。負ければ風呂場で絶叫することもある闘志前面タイプだけに、声援がないことで程よく肩の力が抜けている。

 場所に入り、祖国ブルガリアでは新型コロナウイルス感染者が増え続けている。故郷の両親に定期的に連絡し「大丈夫」と無事を確かめる。自身の活躍が故郷に届くことが「力になっている」と言う。

 稽古場では“最強”と誰もが認める。巡業の申し合いでは10連勝以上は当たり前。ほかの幕内力士の稽古にならず、途中で交代させられることも度々ある。「みんな、稽古では力を出さない。俺は全力だからね」。常にマジメな33歳がようやく報われる時が来た。

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