世界フィギュア中止も…羽生VSチェンお預けか 開催地カナダでも新型コロナ感染拡大

 18日にカナダ・モントリオールで開幕する予定のフィギュアスケートの世界選手権について、ケベック州の当局が新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催できるかどうかを検討していることが分かった。カナダ放送協会(CBC)の電子版が9日に伝えた。大会には男子で五輪2大会連続金メダルの羽生結弦(25)=ANA=ら、女子で紀平梨花(17)=関大KFSC=らが出場予定。当局は近日中に開催可否について結論を出す。

 今季のフィギュアスケート界を締めくくる最大イベントの先行きが一転、不透明になってきた。カナダ放送局協会(CBC)の電子版は、18日にモントリオールで開幕予定の世界選手権について「ウイルスの懸念で中止に直面している」という見出しで報道。ケベック州政府のダニエル・マッキャン保健大臣が、「政府は来週の世界選手権を許可するかどうかを査定している。大会の中止は除外されていない」と発言したと伝えた。

 カナダでも新型コロナウイルスの感染が拡大しつつある。

 9日には同国初の死亡者が確認され、国内の感染者は70人を超えた。スポーツ界にも影響は及んでおり、既に東部ノバスコシア州で開催予定だった女子のアイスホッケー世界選手権(3月31日開幕)は中止が決定。こうした現状を踏まえてマッキャン大臣は、「カナダの公衆衛生局から情報を得て、州の公衆衛生と安全保障の当局は世界選手権の分析に関わっている」と発言。「なるべく早く決定を下したい」と、近日中に開催可否について判断する考えを示した。

 カナダスケート連盟が「予定通り実施する」という声明を出すなど、主催者側は開催に向けた準備を粛々と進めている。日本からは男子で3大会ぶりの優勝を狙う羽生、宇野昌磨(トヨタ自動車)、田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)、女子で紀平、樋口新葉(明大)、宮原知子(関大)が出場を予定している。

 なかでも羽生にとっては19年12月のグランプリ(GP)ファイナルで敗れたネイサン・チェン(米国)へのリベンジを誓っていた大会。その際に残した「めちゃくちゃ悔しい。今に見とけ、と思って」という王者奪還への決意は、今でも揺るぎない。2人の熱き戦いに、世界中のフィギュアファンの注目が集まっている。

 CBCの電子版が「(世界の)いくつかのイベントはファンなしで実施されている」と指摘したように、通常開催、中止以外に無観客での実施も選択肢として考えられる。フィギュアスケーターの世界一決戦が、風雲急を告げている。

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