阿部一二三が執念V 五輪争いで井上監督「並んだ」 丸山と4月最終決戦へ

 「柔道・グランドスラムデュッセルドルフ大会」(21日、ドイツ)

 東京五輪代表選考会の一つとして行われ、男子66キロ級で逆転での五輪切符を狙う17、18年世界王者の阿部一二三(22)=日体大=が優勝し、望みをつないだ。27日の強化委員会で代表選考に決着がつく可能性があったが、ライバルの19年世界王者・丸山城志郎(26)=ミキハウス=に肉薄し、最終選考会の全日本選抜体重別選手権(4月、福岡)までもつれ込むことが濃厚となった。

 執念で代表争いに踏みとどまった。負けられないプレッシャーからか序盤は動きが硬く、準決勝まではなかなか攻撃を仕掛けることができない展開の中で辛勝。ただ、決勝のマルゲラシビリ(ジョージア)戦は、最後は相手の背中を持ってからの豪快な大腰でぶん投げて一本を奪った。

 66キロ級の代表争いは、今回左膝のけがで欠場した19年世界王者の丸山城志郎(26)=ミキハウス=が1番手としてリードしている状況。阿部が生き残るために課せられた“ノルマ”は実質優勝のみという崖っぷちの状況だったが、底力を見せつけた。日本男子の井上康生監督は「非常にこの勝利は大きい」と話し、「阿部にとっては落とせない試合だった。非常に大きなプレッシャーの中でしっかりと勝ちきったところは大きな評価であるし、いわば丸山と阿部が並んだような状況で次なる戦いになってくるのではないか」と、決着は4月の最終決戦となることを示唆した。

 阿部も最終決戦を見据え、「もう直接対決で勝つしかないと思っている。しっかりまたつくり直して、次にぶつけるだけかなと思う」と気合。丸山との直接対決では昨年まで3連敗していたが、11月のGS大阪大会で雪辱を果たして通算3勝4敗としている。「大阪で勝って、燃えている気持ちがずっと自分の心の中にあるし、その気持ちをぶつけたいなと。初戦から全開で阿部一二三の柔道を100%出していきたい」と闘志をみなぎらせた。

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