阿部一二三がV王手 五輪代表争い生き残り懸け柔道GS決勝へ
「柔道・グランドスラムデュッセルドルフ大会」(21日、デュッセルドルフ)
東京五輪代表選考会の一つとして行われ、男子66キロ級で逆転での五輪切符を狙う17、18年世界王者の阿部一二三(22)=日体大=が決勝進出を決めた。大会後の27日に行われる強化委員会で代表選考に決着がつく可能性があるだけに、崖っぷちから猛アピールを懸ける。
初戦の2回戦はエジプト選手に得意の背負い投げで一本勝ちし、幸先よくスタートを切ったが、以降は苦戦続きとなった。
3回戦は相手の指導3つの反則によって勝ち上がると、4回戦はアゼルバイジャン選手に苦戦しながらも、体を浴びせるような小外掛けで技ありを奪って優勢勝ち。準々決勝のブラジル選手にも苦戦したが、一瞬の隙を突く大内刈りで技ありを奪い辛勝。ブルガリア選手との準決勝も先に指導2つをとられる苦しい展開となったが、最後は延長戦で投げ切った。
現在66キロ級の代表争いは、今回欠場した19年世界王者の丸山城志郎(26)=ミキハウス=がリードしている状況。阿部がこの大会で差を詰められない場合、27日の強化委員会で代表選考に決着がつく可能性もある。生き残りを懸ける阿部はこの大会で優勝し、最終選考会である4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)まで持ち込みたいところだ。