徳勝龍、下克上Vから一夜明け「夢のよう」正代への思いも「申し訳ない」

一夜明け会見で幕尻優勝に笑顔でVサインをする徳勝龍(撮影・棚橋慶太)
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 大相撲初場所で初優勝を果たした幕内徳勝龍(33)=木瀬=が27日、都内の部屋で優勝一夜明け会見を行った。00年貴闘力以来20年ぶり幕尻V。番付最下位、西幕下17枚目から幕内全員41人を抜く、史上最大の下克上を達成した。

 「もうなんか、夢のようで今も自分じゃないような、ふわふわしている。いつも場所中は眠れるのに、興奮してあんまり眠れなかった。優勝したんかなって」と、まだ実感がない様子で話した。

 優勝を争う正代(時津風)に1差を付け、千秋楽に出場最上位、大関貴景勝(千賀ノ浦)戦が組まれた。千秋楽結びに幕尻が出場するなど初めて。

 「自分は千秋楽まで三役(力士)とやっていなかった。その面では正代関に申し訳ない。正代関は三役以上とバンバンやっていたから。そういう面では思うところはある」と複雑な心境もあった。

 それでも、大関同士の取組を崩しても、自身と大関の対戦が組まれた。「名誉なこと。番付が一番下なので思い切ってぶつかるしかない」と気持ちを高めた。

 先に正代が勝ち、自身が敗れれば、決定戦の可能性があった。「(正代が勝ったのは)ちらっと見た。すごくいい相撲だったから、また集中し直して気合がヨシッと入った。勝っても負けても自分のことを」と集中した。

 取組以上に緊張したのが、初の千秋楽、三役そろい踏み。「そっちの方が気を取られて。チラチラ見た。(所作を)間違ってたかなって」と笑わせた。

 10歳下の大関相手に「気持ちで負けない」と臨んだ。「(決定戦は)もう全然。(本割の)この一番に集中。あとはどうにかなると。この一番に全神経を集中した」。

 取組は完ぺきだった。左四つに組み、右上手を引き付け寄った。「大関の押しはすごかった」と言うが、逆転を許さず。寄り切った瞬間、ほえた。そして土俵上で男泣き。

 「張り詰めていたものが一気に出た。泣きすぎですね。いろいろあった。15日間、自分では苦しいと思わなかったけど苦しかったのかな」と振り返った。

 初の三賞、殊勲賞、敢闘賞のW受賞。14勝1敗と星数でも立派の一言だ。「場所中も何番とか覚えていないくらい。記者の方に『きょう何日目ですか』って聞くみたいな」と、集中していた。

 十両生活も長く、今場所が4場所ぶり幕内復帰した場所だった。前回幕内では4勝11敗と大負け。「幕内に上がれてほっとした部分があった。ちょっと満足して大負け。やはり満足したらダメ。常に向上心を持って上を目指すことを心がけないと。そこかな」と、気持ちの変化が今場所につながった。

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