正代トップ守った!1敗対決7連敗中の貴景勝を撃破 懸賞38本にホクホク顔

 「大相撲初場所・9日目」(20日、両国国技館)

 西前頭4枚目の正代が大関貴景勝との1敗対決を制して生き残り、トップを死守した。土俵際、クルリと回り込み逆転の突き落とし。自己最速で勝ち越しを決めた。地元熊本で東京五輪の聖火ランナーを務める28歳が熊本初の優勝へ突っ走る。幕尻の徳勝龍が剣翔を退け、17年夏場所以来、幕内で勝ち越し。正代、徳勝龍の平幕2人がトップ並走。貴景勝、平幕豊山、輝の3人が続く。

 正代が花道を小走りして拳を握って大興奮した。結びの一番、トップ同士で激突した貴景勝を撃破。「結びで緊張した。声援も多かった。ものすごくうれしかった」と喜びを爆発させた。

 今場所の正代は前に出る圧力が別人だ。前日、巨漢の朝乃山撃破と同様、馬力勝負で大関に負けない。当たってはじいて猛攻。押し返されても冷静に相手の動きを止め、右に開いて突き落とした。

 過去2勝7敗で7連敗していた苦手に雪辱。「連敗していたので考えてもどうしようもない。逆に思い切っていけた」と無心で臨んだ。38本の懸賞に「初めてなくらい」とホクホク顔だった。

 親方衆の評価も上昇。「当たってからの攻めが良くなっている。重さがある」と八角理事長(元横綱北勝海)。土俵下の境川審判部長代理(元小結両国)は「正代がすごく乗ってきている。貴景勝のいなしに備えたドシっとした構えだった」と絶賛した。

 正月は愛する地元熊本に1週間帰省し、おふくろの味を堪能。体重が5キロ増の自己最重量171キロとなった。さらに貴景勝、朝乃山ら年下に次々と出世争いで抜かれ、尻に火。“ネガティブ男”として知られる正代にようやく前向き、がむしゃらさが備わってきたことが飛躍の要因だ。

 夏場所前の5月には熊本で聖火ランナーも務める。いまだ賜杯のない熊本で県初の優勝力士として凱旋なら最高。「攻める方が勝率が上がる」とこのままトップを進撃する。

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