炎鵬、憧れの遠藤倒した「夢みたい」 同郷金沢の人気者対決で気迫の押し出し

 「大相撲初場所・8日目」(19日、両国国技館)

 幕内最小兵の炎鵬がイケメン遠藤との人気者対決を制し、4勝4敗の五分で折り返した。同郷金沢市出身で4歳上のあこがれの先輩と初顔合わせ。無我夢中で技を繰り出し、最後は気迫で押し出した。トップタイだった遠藤は2敗に後退。平幕正代が新関脇朝乃山をすくい投げで破り1敗を死守した。朝乃山は3敗目。正代、大関貴景勝、徳勝龍の3人が1敗で首位に並ぶ。

 屈指の人気者同士、館内は「エンドー」、「エンホー」と大声援が真っ二つに割れた。炎鵬が「雲の上の人」と言う遠藤と初の“金沢ダービー”。「夢みたいでした」と、幕内最小兵168センチ、99キロの体で駆け回った。

 正面から当たって左差し。すぐに相手の左腕をたぐった。つかまると肩すかしでスルリと脱出。右へ左へくるくる回って、また相手の腕をたぐって崩す。25秒、休まぬ連続技で最後は押し出した。

 「何も考えずぶつかっていく気持ちだった。体が勝手に動いた。無我夢中。覚えていない」と無心。勝った瞬間は「信じられなかった」と興奮した。

 金沢市立西南部中-金沢学院東高(現金沢学院高)と直系の4歳上の先輩。炎鵬は小学生の時からあこがれた。高3時、日大4年の遠藤と国際大会に参加。その時、稽古で受けた突っ張りは今も覚えている。「威力が今まで感じたことがない。ねじ込まれる。普通と違う」と、衝撃だった。

 プロでの対戦を一つの目標にしてきた。それがかなって、しかも勝った。「うれしいという実感はない。信じられない」と夢心地で繰り返した。

 最高位の前頭5枚目で5割ターンは上々。後半は上位総当たり戦を組まれることが見込まれる。遠藤をトップから後退させ、今後もV戦線を左右する存在になる。

 序盤で首を痛め、取組後は支度部屋で顔をしかめた。9日目は初の大関戦、豪栄道に挑む。「毎日チャンレンジの気持ち」と、小さな体にファンの夢を背負い、まだまだ土俵を沸かせる。

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