「大相撲初場所」（１２日初日、両国国技館）

　二所ノ関一門の連合稽古が８日、都内の尾車部屋で行われ、大関から関脇に陥落した高安（２９）＝田子ノ浦＝が計１９番取って好調ぶりをアピールした。今場所１０勝すれば大関復帰が可能となる。

　関取衆の申し合いも序盤から参加。馬力で押し込み、阿武咲、竜電、玉鷲と幕内実力者相手に３連勝した。その後も積極的に番数を重ね申し合いは６勝３敗。続いて大関貴景勝の三番稽古（同じ相手と続けて取る）に指名された。

　序盤は大関の低く鋭い踏み込みに一気に土俵外に運ばれたが、徐々にパワー勝ちし大関を後退させる場面も出てきた。終盤は寄り切り、送り出しと２連勝締め。３勝７敗だったが、持ち味は存分に発揮した。

　見守った元横綱で解説者の北の富士勝昭氏は「新旧大関の稽古がなかなか力が入っていた。高安がどうかと思ったけど、あれだけ番数をこなせれば。吹っ切れたものがある。（１０勝は）優しくないけど大丈夫」と太鼓判を押した。

　高安も手応え十分だ。「申し合いは序盤から入って気持ちを盛り上げていこうと。全体的に良かった。満足している。膝はしっかり曲がっている。浮つかない相撲が多かった。押し込まれる相撲もあったけど体力的にもいけた。少し荒いところがあったので修正したい。大関はしっかり前に出る相撲を取ってくれたので思い切り当たれた。とても充実していた」と振り返った。

　まずは１０勝が目標ながら、視線はさらに上。「初日から力強い相撲を取って千秋楽までしっかり優勝争いに加わっていきたい。番付は落ちたけどポジティブにいく。上を目指していく。（番付降下は）宿題と思って一つ一つ乗り越えていく。強い気持ち、冷静さ力強さをしっかり考えて１５日間やりたい」と、話した。