御嶽海「無」から出直し 大関とり場所6勝9敗……積み重ねてきたものゼロ…
大相撲の関脇御嶽海(26)=出羽海=が6日、今年の漢字一文字を「無」と語り、来年の雪辱への思いを込めた。この日は大分市で冬巡業が行われ、連日、土俵に上がり、精力的に番数を重ねた。
秋場所で2度目の優勝を果たし、成績次第で大関昇進の可能性があった九州場所で6勝9敗と惨敗。17場所連続で維持した三役の座も、来場所の陥落が確実となった。
大関に最も近い男と呼ばれながら、昨年の初優勝時と同様に、つかみ損ねた。積み上げてきたものがゼロになった意味の「無」。この一年を「複雑」と、表情を曇らせた。
一方、九州場所は3日目に右目上に裂傷を負った影響で失速した。「そういうことがあっても何も“無”かったと思えるようにならないと。優勝した時は自分の相撲と思っていたのに最後の最後で考え過ぎた。無の心、無の境地、無心で取り組む」。逆襲へ精神面で強くなるしかない。
悔しさは内に秘める。「いいことも悪いこともある。学んで来年に向けてやらないといけない」。険しい大関ロード、“無”からの出直しだ。