紀平梨花 4回転封印も今季最高点 2位でGPファイナルへ

 「フィギュアスケート・NHK杯」(23日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 女子フリーは昨年女王でSP2位の紀平梨花(17)=関大KFSC=が151・95点の合計231・84点で2位に入った。優勝はSP首位のコストルナヤ(16)=ロシア=で154・96点だった。GPシリーズ上位6人で争われるファイナル(12月5~7日・トリノ)には男子で羽生、女子で紀平が出場する。

 大技は封印した。それは、堅実に歩みを進めてきた17歳の矜持(きょうじ)でもあった。右手で力強くガッツポーズ。紀平は「トリプルアクセルは2本とも一番いいのが跳べた」と満足げに語った。コンビネーションを含む2つの要素で合計22点以上を稼ぎ、フリー、合計とも今季自己最高を出した。

 日本人女子では安藤美姫だけが成功している4回転。試合でそのサルコーに初挑戦か。連覇がかかるGPファイナルを目指して安全策か。朝の練習では1本も決まらず、決断は靴を履いた後だ。「迷ってはいけない。浜田先生と話して、確実にファイナルを狙おうと決めました」。堅実に加点を引き出した。

 今季GPシリーズはともに2位。シリーズを席巻した若いロシア勢は、そのファイナルでも大きな壁になる。しかし、ロシアメディアからコストルナヤについて問われた紀平は「比較して自分もここを伸ばしたいと思える選手」とお手本には挙げても、悔しさは見せなかった。前日にSP世界最高記録を抜かれた時に「最終目標は北京五輪の金メダル」と言ったとおり、今はまだ夢の途中。母の実香さん、浜田美栄コーチが「マイペース」と口をそろえるおっとりした性格が、五輪ロードの根底にある。

 ジュニア時代はトリプルアクセルの失敗でプログラム全体が崩れたことも多かった。だからこそこの日の演技は「成長したと自信がついた。昔は試合で頭が真っ白になることがあったけど、今はその時のベストを尽くすことができる」と胸を張る。北京五輪までロシア勢との戦いは続く。「ファイナルで4回転を入れられるようにしっかり練習したい。自分がもう向上できないくらい完璧な演技を目指したい」。五輪まであと2年。今できるベストを積み重ねていく。

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