御嶽海 意地の猛攻星 2敗の朝乃山撃破で成績を五分に
「大相撲九州場所・12日目」(21日、福岡国際センター)
先場所12勝で2度目優勝を果たした関脇御嶽海が新小結朝乃山を寄り切って意地の6勝目をもぎ取った。前日6敗目を喫し、来場所に大関とりをつなぐ2桁星のノルマに失敗。“出直し戦”で年下の成長株をはね返し、17場所連続で就く三役死守へ踏みとどまった。横綱白鵬が遠藤を一蹴し、11勝(1敗)でトップを独走。1差で追っていた朝乃山が3敗に後退。13日目、白鵬が小結阿炎に勝ち、3敗の朝乃山、正代が敗れれば、白鵬の43度目優勝が決まる。
前日までとは別人のような御嶽海の猛攻だった。馬力自慢の朝乃山に上手を許したがもろ差しが速い。下から体をグイグイ寄せ、巨体を後退させると、最後は上手を切って、観念させた。
「悪くはなかった。自分の星が挙がっていない。相手のことより勝たないといけない。(相手の攻めを)何も警戒していない。自分の相撲を取れば怖くない」。来年の大関候補に目される大器を意地でねじ伏せた。
前日、痛恨の6敗目を喫し2桁星ノルマを逃した。高田川審判部副部長(元関脇安芸乃島)は「つながらない。覇気のある相撲を取らないと」と大関とりが“振り出し”となったことを示唆した。本人は2度目優勝でも同じ失敗を繰り返し、「申し訳ない。もどかしい」と悔しがった。
“大関に一番近い男”が大関とりへまたも出直し。「いろんなことを考えながらきょうは取りました」。この日は自身と向き合い、土俵に上がった。
6勝6敗の五分に戻し、残り3日に闘志を燃やす。「しっかり気持ちを整えたい」。大関再挑戦へ向け、17場所連続で就く三役を守ることは必須だ。