“輝”ラリ2敗死守!遠縁・輪島氏に届ける会心5連勝 稽古の虫で立ち合いに手応え

 「大相撲九州場所・9日目」(18日、福岡国際センター)

 平幕輝が志摩ノ海を押し出して7勝目を挙げ、トップと1差の2敗を死守した。昨年亡くなった名横綱輪島大士(ひろし)氏と同じ石川県七尾市出身で遠縁にあたり、しこ名の「大士(読みはたいし)」を譲り受けた“黄金の”大器。伸び悩んできた25歳が、ようやく覚醒予感のV争いだ。横綱白鵬が琴勇輝を引き落とし7連勝で勝ち越し一番乗りし、1敗で単独トップを守った。2敗で輝と新小結朝乃山の2人が追う。

 輝が左をおっつけて追い込み、逃れる志摩ノ海をまた左おっつけで押し出した。天国の輪島氏の異名、“黄金の左”は下手投げが宝刀だったが、同じ強力な左で2敗キープ。「上半身の力が抜け、いい形で力が入っている」と会心の5連勝だ。

 中卒のたたき上げ。身長192センチ、体重163キロの堂々たる体格。16年初場所、21歳で新入幕し、将来を嘱望されたが伸び悩んだ。今年は勝ち越しが春場所のみで番付も西前頭13枚目。同世代、年下にも次々と抜かれた。

 取組後や、食事の前後に思い立っては四股、すり足をやる程、稽古の虫。ようやく「ただ当たるのでなく当たった時に自分の強い形を作る」と、立ち合いに手応えが出てきた。

 師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は「ずっと稽古でやってきたことが本場所ではまって自信になっている」と目を細めた。まだ1度もない幕内での2桁星を期待した。

 輪島氏は昨年10月8日に亡くなった。「とにかく優しい人。いつも『頑張れ、頑張れ』って言って下さった」。名前とともに黄金色のまわしも受け継いだ。出世こそ天国の先輩へ恩返しになる。

 中学卒業後、角界入りの際、「横綱になる」と掲げた。「もちろんその夢はそのまま」と“黄金の夢”へ向かい、今場所、まだまだ輝く。

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