関取最小兵・炎鵬 1敗キープ「一番怖かった」101キロ差の碧山崩した

 「大相撲九州場所・5日目」(14日、福岡国際センター)

 身長168センチ、体重98キロ、関取最小兵の炎鵬が身長で23センチ、体重で101キロ差の大きな碧山を引き落として2日目から4連勝で1敗を守り、トップタイに並んだ。張り手を食らい意識が飛びながらド根性で巨漢を倒した。全勝だった幕内正代が敗れ、新入幕若隆景は休場し不戦敗で1敗に後退。横綱白鵬、小結朝乃山らトップ1敗に8人が並ぶ大混戦となった。成績次第で大関昇進の可能性がある関脇御嶽海は3敗で崖っぷち。関脇栃ノ心は休場し、1場所での大関復帰が厳しくなった。

 一発目の突っ張りで炎鵬の意識は飛んだ。自身の倍以上、体重199キロの張りを何発も顔面に浴びながら「無心」で立ち向かった。首を押さえられ突き落とされたが耐えた。

 ド根性で逆襲し、巨漢を下がらせた。最後は右に開いて引き落とし。「『あっ』と思った」と、碧山がバッタリ倒れているのを見た瞬間、我に返った。

 十両臥牙丸(199キロ)、魁聖(201キロ)にも勝っているが碧山は「一番怖かった」とびびっていた。突きの破壊力は半端なく「中に入ってもつぶされる」と策はなかった。

 土俵上で見上げればまるで山だった。「どこが何の(体の)パーツなのか、全体像が分からない。(腕も)差す場所はどこにあるのか。圧もすごかった」。決死で腹をくくり、決めたのは距離を取り「外から崩す」。ひるまず、見事に作戦を遂行し、山を崩した。

 勝負メシが小兵を後押しする。先場所限りで引退した部屋の兄弟子、山口雅弘氏(元幕内大喜鵬)が特製ランチを作ってくれる。「肉を焼いてくれて、手作りのしょうが焼き風ソース。優しい味」と愛情に感謝。山口氏は「(レシピは)気持ち。後は女性ファンが多いのでにんにくは控えめ」と、イケメンのイメージを崩さぬ気遣いぶりだ。

 自己最高位で4連勝、1敗を守り首位タイ。帰り際は小学生の少年少女に囲まれてサイン、写真撮影した。「自分もこっち(ファン側)であこがれていた少年だった。少しでも勇気を与えられたら」。小さい体に大きな夢を背負い、大混戦の九州をまだまだ沸かせる。

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