アマボクシングで判定可視化 新システムが公開 “ストファイ”さながらエンタメ性も

富士通が提案する、審判が有効打と判断した数が観客に公開されるシステム
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 東京五輪のボクシングで判定の透明化に向けて国際オリンピック委員会(IOC)主導で導入される新システムが31日、東京・両国国技館で報道陣に公開された。開催中のテスト大会で試験運用されている。

 新システムは審判が有効打と判断するたびに、赤コーナーと青コーナーを示す2色のボタンをリングサイドで押し、それが5人の審判とは別の上級審判によってモニタリングされる。今五輪のボクシングを主管するIOC特殊作業部会の渡辺守成座長(60)は「モニタリングは審判の教育と監督の意味がある」と説明し、現行の10点法を維持した上で、16年リオデジャネイロ五輪でも取りざたされた不正判定への抑止力として期待している。

 今五輪に向けては国際ボクシング協会(AIBA)の組織運営が問題視され、一時は東京五輪での除外危機にあった。しかし、AIBAがIOCから資格停止となり、特別作業部会が主導することで5月に存続が決まった。その後、渡辺座長の提案を受けて富士通が新システムを開発し、今大会でテスト導入されている。

 日本ボクシング連盟の菊池浩吉事務局長は「11月の全日本選手権(鹿児島)でもモニタリングしたい。(9月の)世界選手権でも選手の中からは(判定が)ナンセンスだという声が出ていた。どうしても特別な審判に対する不信感はある」とし、可視化を歓迎している。新システムは、今後も関係者の話を聞いて五輪本番まで改良を重ねていくことになる。

 また、富士通では審判が判断した有効打数を観客に向けて公開するシステムも提案している。格闘ゲームの「ストリートファイター」さながらに、試合画面に両選手の有効打数が表示されるもので、渡辺座長は「観客のみなさんにもわかりやすく、ビジョンやDJも使えたらいい。これまでは(観客への)説明が不足していた」と説明。菊池事務局長も「観客が楽しく盛り上がることは競技存続のために大事なこと」とエンターテインメント性も求めていく意向だ。

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