マラソン・競歩の札幌移転案に海外選手も賛否 「台無し」「良かった」論争も…

 国際オリンピック委員会(IOC)は16日、猛暑が懸念される東京五輪陸上のマラソン、競歩について、札幌で開催することを検討すると発表した。IOCによると札幌は五輪期間中の気温が東京よりも5~6度低いという。本番まで残り300日を切る中で、唐突に示されたプランに組織委、日本陸連、東京都など関係者各所に衝撃が走った。

 暑さへの懸念を見せていた海外選手の中にも賛否が渦巻いている。IOCが今回の発表をするに至った決定打となったと見られる酷暑のドーハ世界選手権で、男子50キロ競歩銅メダルを獲得したエヴァン・ダンフィー(カナダ)は自身のツイッターで「すでに予約した家族や友人の航空機代、宿泊施設を支払ってくれるのか。五輪の経験を台無しにしようとしている。これに関してアスリートの意見は聞いたのか?」と疑問を呈した。すでに暑熱対策への準備を進めていたようで「熱に備え、尊重してきた。適切に準備をしていれば、何も恐れることはない。20年間夢見てきたメダルのチャンスを減らされる」と、不満を滲ませた。

 一方で同50キロ競歩の世界記録保持者で、ドーハ世界選手権では途中棄権したヨハン・ディニズ(フランス)は、フランス紙「ルモンド」の取材に「札幌への移転は良いこと」。スピード勝負に自信をもつだけに「北海道は東京より5~10度気温が低く、湿度が低く、息苦しさがなく、私に合った気候になる」と、歓迎した。

 ただ、ダンフィーはこの記事をリツイートし、ディニズがドーハについて暑熱対策をしていなかったと語っていることについて触れ「準備しないもののために競技会を変更しないで」と批判。論争が巻き起こっている。

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