御嶽海62年ぶり関脇V2 決定戦で貴景勝を撃破!大関へ「11月場所で決めたい」

 「大相撲秋場所・千秋楽」(22日、両国国技館)

 関脇御嶽海が12勝3敗で並んだ関脇貴景勝との優勝決定戦を寄り切りで制し、昨年名古屋場所以来7場所ぶり2度目の優勝を果たした。関脇の地位で2度の優勝は56、57年春場所の朝汐以来62年ぶり。日本出身力士で複数回の優勝は17年初、春場所を制した稀勢の里以来となった。先場所の9勝と合わせ、2場所計21勝。大関昇進には三役3場所計33勝以上が目安で、九州場所(11月10日初日)でハイレベルでの上位争いなら一気昇進の可能性も出てくる。

 真っ赤なワンピース姿の美人母・マルガリータさん(49)が升席で立ち上がり、優勝インタビュー中の御嶽海に投げキッスを送った。親孝行の愛息は照れ笑い。会場は祝福の笑みに包まれた。

 完ぺきな二番でV2を手中にした。先に隠岐の海との3敗対決を制した貴景勝が土俵下で見守る。その前で遠藤を電車道で一蹴。決定戦へ弾みを付けた。

 大一番。8日目に完敗した貴景勝への雪辱に燃えた。「逃げないで前に出る」。緊迫し、会場が大拍手の中、「いろんな人の顔が浮かんだ」と支えてくれた人たちを思った。いざ勝負。猛烈な突きを受け止め前へ出た。もろ差しで一気に寄り切った。

 「2度目だから」と涙はなかった。昭和以降2位となる16場所連続で三役を維持。ようやく精神面での付き合い方をつかみ、連敗癖がなくなり初優勝以来の10勝をクリア。「今回はしっかりと目標に向かった。プラスアルファで(優勝が)できた。去年の優勝とは違う」とかみしめた。

 長野・福島中学時代の恩師、安藤均先生は教え子のここ一番の強さをずっと見てきた。「(学生時代)タイトルを狙うとトーナメントで必ずどこか一番、変化する。それがほぼ決まる。大事な一番でやる。本番で試すのが彼の強さの要因」。

 14日目、大関豪栄道を立ち合い変化で突破。これが御嶽海。東洋大で個人タイトル15冠のアマエリートは天性の勝負師なのだ。

 大関昇進で先を越された年下ライバルに「負けたくない」とプライドもあった。インタビューでは「最高~。やればできるんだな」とやって笑わせた。

 審判部は大関昇進に関し今場所が起点との認識で来場所は大関とりではない。ただ来場所12勝以上なら3場所計33勝の昇進目安をクリアする。高島審判部部長代理(元関脇高望山)は「雰囲気が出て来れば分からない」と含みを持たせ、八角理事長(元横綱北勝海)は「来場所はチャンスだ」と期待を寄せた。

 御嶽海も気合満々。会場の「大関コール」に「そろそろ皆さんの期待に応えられるように11月場所で決めたい」と宣言した。

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