明生 自己最速9日目勝ち越しで首位に並ぶ「まだまだ長いのでここから」

 「大相撲秋場所・9日目」(16日、両国国技館)

 24歳の新鋭、幕内明生が1敗を守って首位に躍り出た。琴奨菊をすくい投げで破り、自己最速の9日目で勝ち越し。ただ1人全勝だった隠岐の海が竜電の引き落としに屈して初黒星を喫したため、平幕2人が8勝でトップ並走となった。10勝を挙げて大関復帰を目指す関脇貴景勝が玉鷲を気迫で押し出し7勝目(2敗)を挙げた。トップの2人を貴景勝、関脇御嶽海、平幕朝乃山の優勝経験者3人が1差で負う。

 明生の成長力が元大関の馬力を上回った。左四つに組めば強い琴奨菊のがぶりに後退。「焦りましたね」と言うが俵に足をかけ左に回り込みながら勝機を探る冷静さがあった。

 右前ミツをがっちり取ってさあ攻勢。「左しかない」と左からすくって、豪快に相手を裏返した。「体が動いているっす」と、会心の内容で自己最速の勝ち越しを決めた。

 その後、全勝の隠岐の海に土が付き、首位タイに浮上。そのことを聞かされると「え、並んだんですか」とやや驚きながら「別に。まだまだ長いのでここから」とうなずいた。

 場所前の夏巡業では稽古の虫。横綱鶴竜から休養の勧めもあり、1日だけ土俵に上がらなかっただけだ。親方衆や鶴竜が“巡業MVP”に真っ先に名前を挙げ、白鵬も体の使い方など助言した。稽古はうそをつかないを地で行くたたき上げだ。

 初の上位総当たりの先場所、4勝11敗とはね返された。「まわしの取り方、押し方が違う」。横綱、大関が持つ高度な技術戦に圧倒された。巡業で徹底して技術を磨き上げ体に覚えさせた。その努力が結実している。

 “島相撲”で知られる鹿児島・奄美大島出身。集落に一つ土俵がある相撲どころは元幕内里山(佐ノ山親方)、十両大奄美らを輩出する。「明るく生きる」24歳が、相撲の島に賜杯をもたらすビッグチャンスだ。

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