貴景勝が“天敵”御嶽海を撃破 大関復帰へあと4勝「邪念を捨てる」
「大相撲秋場所・8日目」(15日、両国国技館)
10勝を挙げ大関復帰を目指す関脇貴景勝が関脇御嶽海を押し出して連敗を2で止め、6勝目(2敗)を挙げた。夏場所で右膝を負傷した際の“因縁相手”であいくちも悪い“天敵”を突破。大関復帰へM4とし、後半戦へ向けターンした。平幕隠岐の海が自身初の中日勝ち越しを決め単独トップを守った。1敗で平幕明生が追う。横綱鶴竜が左膝を痛め、8日目から休場した。
貴景勝が4カ月前の悪夢を電車道で払しょくした。沈みこむほど低く、下から頭で当たった。のけ反る御嶽海に突きを1、2、3発。トドメの4発目で土俵外に飛ばした。
「思い切り当たることだけ考えた。(夏場所は)自分が悪くてケガをした。それで(大関を)陥落した。自分と向き合って自分の相撲を取ろうと思った」。完全復活の階段をまた一つ上った。
夏場所4日目の御嶽海戦、勝ちはしたが無理なもろ差しで右膝に重傷を負った。名古屋場所も無念の全休を決めた。「25番もダメにした」と、その間、相撲が取れなかった取組の数を胸に刻む。ケガがあったからこそ、一からまた鍛え直した。「自分はまだ強くなる」と成長を確信する。
6日目につきひざ、7日目は変化に屈し2連敗。嫌な流れの中、過去4勝7敗と苦手にする相手を撃破した意味は大きい。6勝ターンとなり大関復帰へは残り7日で4勝。「星勘定の世界だけど邪念を捨てる」。疲労や重圧をはねのけ、気持ちとの勝負だ。