貴景勝が連勝 “因縁”の相手199キロ碧山をパワーでねじ伏せた

 「大相撲秋場所・2日目」(9日、両国国技館)

 右膝を負傷して先場所を全休し大関から陥落した関脇貴景勝が幕内碧山を押し出して初日から2連勝とした。夏場所で再休場に追い込まれた“因縁”の相手を打破。かど番制度導入の1969年以降、大関から降下した場所で初日から2連勝は過去9例あり、6例で10勝以上に到達している。1場所での大関復帰“成功率”は・667だ。横綱白鵬が右手小指の骨折のため2日目から途中休場。一人横綱となった鶴竜が北勝富士を一蹴し2連勝。かど番大関は豪栄道が2連勝、栃ノ心は2連敗を喫した。

 貴景勝が199キロ巨漢をパワーでねじ伏せた。立ち合い、もろ手を食らうも馬力勝ち。引いて逃げる相手に突進し続け押し切った。

 6秒5の完勝劇。夏場所8日目、右膝負傷から強行再出場した際、立ち合い変化に付いて行けず屈した。翌9日目から再休場となった“因縁”を払しょく。「向こうは立ち合い(馬力)がある。引いてきたら攻め込んで」と体が反応した。

 右膝はこの日もサポーターなし。約4カ月ぶり本番で再び負傷する恐れ、相撲勘の不安は2日で完全に解消。初日から2連勝は1場所で大関復帰の“ノルマ”で、成功率は・667とデータ的にも強力に後押しする。

 負傷を機に23歳は食生活をさらに見直すようになった。以前は焼き肉に行くと好きなものを食べていたが今は違う。カルビは食べない。赤身、牛モモと脂身の少ない肉を選ぶ。

 「肉によってメリットも違う。鳥はムネの部分でペプチドで筋持久力。牛はクレアチンが豊富で闘争心に関係する。豚はビタミンB1が多く疲労回復。油も魚やアボカド、ナッツなどを取る」。栄養学や身体の本を読み研究し、実践してきた。

 「完全に日本人の骨格だから」。身長175センチが、外国人力士ら巨大な幕内で勝つためには「みんなと同じじゃ結果は出ない」。だからこそ自身の甘えを徹底して断ってきた。

 「勝ちを意識せず、感情を持ち込まず、やるべきことをやれば(勝つ)確率が上がる。全部勝つつもりでいくけど自分の力を発揮できればいい」。“武士道精神”を貫く、貴景勝節も戻って来た。

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