柔道混合団体3連覇 浜田尚里が大金星…個人戦決勝のリベンジで有終の美

 メダルを手に笑顔の(前列左から)向翔一郎、橋本壮市、影浦心、芳田司、大野陽子(後列左から)原沢久喜、村尾三四郎、大野将平、玉置桃、素根輝、浜田尚里、新井千鶴
2枚

 「柔道・世界選手権」(1日、日本武道館)

 来年の東京五輪新種目となる混合団体が行われ、日本は昨年と同じ顔合わせとなった決勝でフランスを4-2で下し、3連覇を達成した。3-2で迎えた女子78キロ級で浜田尚里(28)=自衛隊=が、個人戦の決勝では敗れたマドレーヌ・マロンガを抑え込んで“おとこ気”一本。日本勢として今大会5個目の金メダルを獲得し、有終の美を飾った。混合団体は男女各3人の6人制で、15チームが参加。日本は準々決勝で韓国、準決勝でブラジルをともに4-0で退けた。

 人生初という大「ハマダ」コールが武道館をこだまする。「幸せ。うれしかった」。浜田は2日前の惨敗の反省を生かし釣り手で間合いを取りながら、相手の技を耐えてつぶれたところを押さえ込みにいった。「絶対チャンスは1回しかない。決めないといけない」。個人戦では立ち技で子供扱いされた相手を今度は20秒間押さえ込んだヒロインは「絶対私の所で決めようと思っていた」。物静かな「最強の女寝技師」が大仕事をやってのけた。

 “おとこ気”の出場だった。団体戦は70キロ超級で出場予定だった78キロ超級代表の朝比奈沙羅、素根輝の2人が当日になってコンディション不良で出場できなくなり、白羽の矢が立ったのが78キロ級の浜田。前夜まで出場予定はなく夜1時半まで夜更かししており、この日も朝9時に「優雅に朝ご飯を食べていた」。その時、女子の増地克之監督からの電話で出場を打診され、「想定外だったんですけど、すぐに体も気持ちも準備できました」と二つ返事で快諾。準決勝では自身より約40キロ重いアルトマン(ブラジル)も腕を極めて完勝。3戦とも寝技で一本勝ちし存在感を示した。

 増地監督は「素晴らしい戦いだった。大舞台になっても普段と同じ精神で戦える(心の)強さがあった」と目を細め、金野強化委員長も「感動的だった。(急きょ出場した)彼女の覚悟が最後に出たと思う」と称賛した。

 東京五輪に向けて思わぬ形で大アピールしたものの、「寝技で取ることができたけど、次は分からない。課題は立ち技なので」。相変わらずな控えめな性格も個性だ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス