原沢久喜銀メダル「悔しい」 スタミナ切れで反則負け

 「柔道・世界選手権」(31日、日本武道館)

 女子78キロ超級は初出場の素根輝(19)=環太平洋大=が決勝でロンドン五輪女王のオルティス(キューバ)を下して金メダルを獲得。昨年女王の朝比奈沙羅(22)=パーク24=は銅メダルだった。男子100キロ超級はリオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27)=百五銀行=が、決勝でリオ五輪100キロ級王者のルカシュ・クルパレク(チェコ)に反則負けし、銀メダルだった。

 原沢はあと一歩及ばなかった。準決勝は初対戦の前回王者・トゥシシビリ(ジョージア)を力でねじ伏せて一本勝ちしたが、初戦から激闘を繰り返したとあって、決勝は延長戦で先にスタミナが切れて反則負け。「ヤマ場だと思っていた準決勝を乗り越えて、勢いでいこうと思ったが、組んでからの具体的なプランがなかった」。絶対王者のリネールが不在の中でも頂点に届かず、「目標は優勝だったので悔しい」と傷だらけになった顔をゆがめた。

 寡黙で実直な好青年だが、東京五輪への悲壮な決意から大きな“賭け”に出た。15年春に入社した日本中央競馬会を18年4月で退社。「柔道をやめても安定した生活があるのが逃げ道になってしまっていた」。今年4月に所属が決まるまではフリーとして活動。当然、賞金以外に収入はない。貯金を切り崩しながら生活し、大会エントリーなど事務作業も自ら行った。天理大に出稽古に赴く際には詰め所で寝泊まりし少しでも節約。その分、自腹でトレーナーを海外に帯同させるなど、柔道に全てをささげた。

 来年の決戦の舞台も、1964年東京五輪の無差別級で神永昭夫がへーシンク(オランダ)に負けた因縁の日本武道館だ。「全部背負って頑張ります」と、08年北京五輪王者の石井慧以来の金メダル獲得へ人生を懸ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス