15歳・森「信じられない」 “絶対女王”落下で大逆転決勝進出
「スポーツクライミング・世界選手権」(18日、エスフォルタアリーナ八王子)
東京五輪と同形式の3種目による複合の女子予選が行われた。リードで銅メダルの森秋彩(15)=茨城県連盟=は5位で通過。決勝で7位以内の日本人最上位が東京五輪代表に内定する。
文字通り、崖っぷちからはい上がった。
森は苦手スピード、ボルダリングとも振るわず、2種目終了時点で20人中19位。決勝進出へ、1位が最低条件の中で最終種目のリードを迎えた。中盤に両腕で宙ぶらりん状態になる大ピンチを乗り越え、魂の完登を果たした。“絶対女王”ガルンブレト(スロベニア)が完登すれば脱落だったが、終盤でまさかの落下。この瞬間、大逆転での決勝進出が決まった。「絶対に登ると思っていた。信じられない」と、クールな15歳が珍しく表情を崩した。
決勝では日本勢4人で五輪切符1枚を争う。驚異的な勝負強さを見せる森にもチャンスはあるが「野口さんが東京五輪で最後と言っているので、五輪に出てもらっていい成績を残してほしい。私は(24年の)パリで」と、無欲を強調していた。