セーリング・ヨシヨシ組、銀で五輪切符 吉田1年後「金に変えよう」

 「セーリング・470級世界選手権」(9日、江の島ヨットハーバー沖セーリング)

 男女とも上位10艇によるメダルレースが行われ、女子は前日までの2位から逆転での2連覇を狙った吉田愛(38)、吉岡美帆(27)組=ベネッセ=が8位に終わったが、通算65点で銀メダル。日本勢最上位で3位以内の条件を満たし、20年東京五輪代表に内定した。通算62点の英国ペアが金メダルを獲得した。男子で前日まで6位だった岡田奎樹(23)=トヨタ自動車東日本、外園潤平(28)=JR九州=組はフライングで失格。通算97点で総合9位に終わった。

 慣れ親しんだギラつく太陽の下で、夢舞台への切符をもぎ取った。この日のメダルレースでは首位英国の徹底マークを受け、8位。それでも1週間、安定した成績を並べ、堂々の銀メダルだ。練習拠点でもある江の島。会場から自転車で数分のところに自宅がある吉田は「重圧の中で、自分達のパフォーマンスを出せた。すごく自信になった」と、納得の表情でうなずいた。

 1年後、五輪の舞台になる“ホーム”で、地の利を改めて実感した。8日までの11レース中、実に6回が3位以内(1位2回、2位2回、3位2回)の安定感。夏の南風も、波のうねりも手に取るように傾向が分かる。吉岡は「江の島だなって感じでした。シーブリーズ(潮風)もうねりも」と、振り返った。

 チームとしても完成の域に入った。「性格は正反対」と話す2人。5位だったリオ五輪前はストレートに感情をぶつける吉田と、マイペースな吉岡で関係がうまくいかない時期もあったが、リオ後の17年6月に吉田は長男・琉良(るい)くんを出産。その間、吉岡は海外選手と組むことで精神的にたくましくなった。

 吉田は「落ち着いてプレーできるようになった。成長したね」と、相棒の肩を叩いた。各大会に帯同する琉良くんの存在も、2人の心の支えだ。母の吉田はもちろん、吉岡も「疲れているとピリピリすることもあるけど、琉良くんが和やかにしてくれる」と笑う。

 1年後、日本セーリング界初の頂点に挑む。「この銀メダルを金に変えようねって話しました」と、吉田。今の2人なら見つけ出せる。江の島を吹き抜ける黄金色の風を-。

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